トランペット吹きの休日 ~ルロイ・アンダーソン名曲集
パッパカラ♪パパパッ♪♪~から始まりますよ~♪
トランペット吹きの休日♪を存分にお楽しみください~。
陽気なエネルギーをもらえます。元気を出したい時や、子供の頃に戻ってアドベンチャーな♪運動会気分を味わうのにピッタリのCDです。
録音の状態も良いので、ロルイ・アンダーソンの名曲をじっくりと味わい楽しめます。
ワインズバーグ・オハイオ (講談社文芸文庫)
オハイオのある田舎町に暮らす老若男女の22の物語が、地元で新聞記者をしているジョージ・ウィラードという青年の存在を媒介にして、ゆるやかにつながっている。(ただし、ジョージ・ウィラードは決してこの小説の語り手ではなく、彼もまた語り手に俯瞰される人間の一人である。)
それぞれの物語の主人公たちは、語り手の鋭い描写力により、そのキャラクターを鮮やかに読者の前にあらわすが、読者が彼等のことを理解しきった!と思えることはないであろう。
最終章で、ジョージ・ウィラードの町からの旅立ちが描かれており、一瞬、青春小説のたぐいだったのかと思わされそうになるが、ジョージを見送る駅員についての描写などを読む限り、やはり青春小説ではないなと思わされる。ジョージが旅立ったあとに目にするだろう世界や人々の物語は、その前の章ですでに語りつくされているような・・・。
このような小説なので、さっぱり爽快な読後感を求める向きには歯がゆいものになるであろうが、これがどうしてなかなか味わい深い作品であるのは間違いない。
未婚の女性や禁欲的な生活を送っている方、あるいは何か重荷を背負わされて前に進めないと思っている方にとくにおすすめしたい。
ルロイ・アンダーソン:管弦楽名曲集
このCDは、アメリカの作曲家ルロイ・アンダーソンの管弦楽曲集です。演奏はリチャード・ヘイマンとそのオーケストラ、収録曲は実に21曲、総演奏時間は60分強です。アンダーソンはイギリスのアルバート・ケテルビーと同様セミ・クラシック方面にその名を轟かせる作曲家です。作風は至って明快、かつ快活で、長時間聴いていても全く疲れません。軽くておしゃれなクラシック曲を聴きたい方にとってはうってつけのアイテムといえます。
特に目を引く曲目をピックアップしていきましょう。まず、「シンコペーティッド・クロック」は「狂った時計」という意味で、懸け時計のチクタク音を表わすウッドブロックをバックに退屈(さを演出しているけど実は印象的)な旋律が流れていきます。「ラッパ吹きの休日」は、3本のトランペットがかけあいながら活躍する、思わず踊りたくなるような陽気な曲です。かつては運動会でもBGMとして流れていたそうですが、最近は聴かれません。今回の演奏はトランペットがいつになく慎重で覇気に欠けます。曲自体はよいので初めて聴く分にはかまいませんが、この曲だけに期待して買うことはしない方がよいでしょう。「タイプライター」はオフィスでルーティン・ワークをする様子をユーモアたっぷりに描いた作品です。ヨーゼフ・シュトラウスが「鍛冶屋のポルカ」で金槌を模して金床を用いたのと同じような感覚で、タイピングを効果的に音楽の中に取り込んでいます。「紙やすりのバレエ」は、本来「タイプライター」が機械を打楽器として使っているようにサンドペーパーをリズミカルに鳴らしているのですが、それよりもTVCMのおかげで有名になっているといえましょう。一度聴いてみたら、「ああ、これか!」と思われること請け合いです。「そり滑り」は歌詞を付けてクリスマス・ソングとしても歌われている楽しい曲です。多くの人はどこかで一度は聞いたことがあるはずです。
ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)
本書における編著者の解題は、アンダーソンの思想を手際よく紹介していて有用である。だが「腑に落ちる」レベルではたぶん私は理解はできなかった。だが本書に責めはない。『想像の共同体』自体が多くの歴史的知識を前提とした議論に満ちており、解題が取りこぼすものが必然的に大きくなるためだ。アンダーソンが実際に具体的な事例をもって考察した、そういうレベルでアンダーソンを綿密にフォローしていかない限り「腑に落ちる」までに理解できない気がした。私はヘタレなので、『想像の共同体』も、調べ物などしないまま読んだから、自然、理解も浅い。私のようにラクしようとする部類には、アンダーソンの首根っこは押さえられないような気がする。逆に、これから本丸にがっぷり四つでとりくむ前提で、入門に読むには有用な本である。
そこまで追うつもりもない人にも、とりあえず概念的な理解を提供してくれる本である。まったく興味がない人も、「日本人」というくくりが当たり前でないと気づくだけでも有用な本である。
ところで本書はどちらかというと読みやすい部類であり、レビューはもっとあってもいいと思うのだが、実際はまだ5件ほどだ。おそらくだが、私のような感じで、なんとなく絡みづらいというふうに思った人が多いのだと思う。