ブーリン家の姉妹 (上) (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
あらすじは他の方がすでに書いていると思うので飛ばします=)
面白かった〜!!
一人ハイボルテージでエキサイト、一気読みでした。
冒頭ギロチン処刑シーンの2ページ目には物語に入ってました。
女のプライド、嫉妬、野心・・ここまでやるかって程のドロドロ宮廷劇だけれど、
根底にあるのはアンとメアリーの愛憎が相反する複雑な女の心理。
それから、居場所など無い場所で必死に居場所を探し続けるもの悲しさ。
冒頭の姉妹14,5歳時にはすでに骨の髄まで女で、
姉妹を出し抜いた喜びや自分の容姿で脚光を浴びるとクスッとほくそえむような嫌らしさを持っているところが怖くもあり引き込まれました。
単に正義と悪ではなく、そういう人間の嫌らしさや愚かさをよお〜く分かっている作者で、またそうした心理の表現が無駄無く巧みだなあと感心しました。
読み終えた後も物悲しさ、切なさが残る深みのある大河ドラマでした。
映画ではそうした「そこが面白いのに」って部分が見事に抜け落ちていたので
是非読んで欲しいです。
個人的に映画は全く別の物語になっていると思いました。浅い。
メアリーと姉妹の母親がただのいい人になっちゃってるし・・。
ある公爵夫人の生涯 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
よくある夫婦間の問題とも取れる内容ですが女性の立場の弱かった時代背景と皇族的立場上、身動きの取れない主人公達の葛藤をリアルに描いた作品。
でもこの不自由な感じはイギリス王室では過去の実話でしょうが日本は・・・・。
ストーリーも見応えのある内容でしたが私は終始、衣装に見入ってしまいました。
かなり豪華に着飾って入るもののゴテゴテ感や派手さはなくシックな深みのある色合いでまとめており衣装担当者のセンスの良さを感じました。
ファッションに興味のある人は衣装を見るだけでも価値のある作品だと思います。
ブーリン家の姉妹 (下) (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
暇つぶし程度になにか読みたくて、買ったんですが、見事にはまりました。
この時代の、アンブーリンやヘンリー8世のことはよくしらず、「そういえば昔世界史でヘンリー8世の国王至上法とか習ったような気がする…」とかそんな程度です。
ですが物語にはすんなり入っていけました。
翻訳者の方がウマいのかと思います。
情景などがすんなり浮かび、その世界に飛べます。
ヘンリー8世、及び当時の男尊女卑っぷりには辟易しますが、
こういう時代が確かにあったのだな…と思うと色々な思いが次々と。
憎み合いながらも心のどこかでつながっている姉妹の心境がよくわかり、
華やかで贅沢な暮らしなのにけして満たされる事無く、
世継ぎがすべてだった宮廷の暮らし。
王のひとことであったこともなくしてしまえることのできる時代。
私はまだエリザベス1世のこともよく知らないので、
これから映画でも見たいと思います。
アンの娘がどうやって名だたる王女へと変貌をとげたのかも非常にきになります。
映画はこれから観ようと思っていますが、
結末が結末だけに、躊躇しています…
個人的な感想をいえば、
「報いというのは返ってくるものなんだな…」とおもいました。
世継ぎなんてくだらない!!
全くもっててくだらない!!!
人の命をなんだと思ってんだ!そんな血統はさっさとなくなってしまえ!とか思ってしまいます。
ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]
冒頭で、メアリーの妹がアンじゃなかったっけ?と気がつけた人にはもう何も言うことがないのであるが、本作品は史実と非常に異なる点が多いことで問題になったものである。原作本もあるのであるがThe Other Boleyn Girl、原作とも内容が違うということでアメリカでは大分意見の分かれた作品だ。なので、原作のファンと歴史ファンの中には、手放しでこの作品を好きになれない方もいるかもしれない。
個人的には、姉妹の年齢設定を史実と変えたことは花丸だったと思う。と、言うのも、ここまで明らかに史実と違う設定にしてしまえば、いちいち目くじらを立てずに「フィクション」として安心して楽しめるからだ。もちろん、史実に忠実なところもあるが、歴史にヒントを得て男女の関係を描いた映画として楽しんで欲しい1本である。
しかしながら、この作品を見て、これが史実…と、勘違いする人々を生むきっかけになりかねないのも事実なので、☆ひとつ減点。
豪華なキャスティングだけれど、それぞれがそれぞれの光り方をしているのが興味深い。特に、姉妹を演じたナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの「異なる強さ」と「異なる弱さ」がにじみ出た演技に釘付けにされること請け合いだ。