嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
日頃あまり馴染みのない中・東欧が舞台なので、最初は少し読みづらいかなと思った。しかし、段々と引き込まれて結局一息に読んでしまった。主要登場人物のリッツア、アーニャ、ヤスミンカ、その家族、その他の同級生…、こうした人々が、自分たちの祖国、属している民族と如何に切っても切り離せない存在なのかということが圧倒的な迫力で胸に迫る。筆者も、そして我々日本人もそのような存在だからなのだろう。中・東欧の事情も骨太の筆力で描かれており、是非一読をお勧めしたい。
世界・わが心の旅 (2巻セット) [DVD]
BSで放送された宮崎駿監督の回「世界・わが心の旅 ~サンテグジュペリ 大空への夢~」を観ました。旅の途中で監督の乗る飛行機と並んで飛ぶ飛行機に「紅の豚」中のフェラーリンとの別れのシーンと同じような旋回しながら離れて行く飛行を要求するなど監督の飛行機好きの様子が見て取れます。又、監督のインタビューやドキュメンタリーは様々なTV番組やビデオ等で観ましたが、この番組だけで見せた監督の涙は感慨深いものがありました。
高畑勲監督の回は見逃しました・・・。
打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)
これだけ今後読みたい本が見つかってしまい。うれしい悲鳴。
筆者の目線は、ニュートラルな中にも微妙に弱者より。その按配が絶妙で、書評を読んでも嫌な感じがないし、筆者の本に対する愛情に身をゆだねることができる。
ロシアが好きな人、猫が好きな人、特に楽しむことができると思います。
もちろん、すべての本好きな人には、多くのこれから読みたい本が見つかることを保障します。
時間がある時に、この本で発見した今後読みたい本をリストにしてみたいと思っています。かなり多くの人に薦められている本ですが、その評判通りの素晴らしい本でした。
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)
ロシア語通訳として長年にわたり活躍した著者が、その体験と得られた知
見を惜し気もなく濃密に綴った良書。本書は一見、通訳という仕事の内部
事情を面白おかしく暴露しているだけに見えるが、その背後に、他の言葉
と文化を知ってこそ、日本語を相対的な視点で見つめることができ、それ
故に日本語を愛し、それを美しく使おうとし、そして日本の国語教育を憂
える、著者の日本語と日本文化への愛着が見えてくる。そしてその文脈で
語られる多くの鋭い洞察は、単に外国語や通訳に興味がある人だけではな
く、日本語に関心を持つ全ての人にとって、本書を価値あるものとしてい
る。