大震災サバイバル・マニュアル―阪神大震災が教える99のチェックポイント (朝日文庫)
防災グッズを一揃えして「これだけありゃ大丈夫だろ」と高をくくった自分を打ちのめす本。
被害の差が生む摩擦・温度差、情報の交錯、不公平感、例外なく誰もが被災者だという事実、街の復興と一緒には回復しない人々の心の傷、等々。
大災害を前に人間の無力さと、そのの怖さの本質を垣間みる。
保険金“支払い査定人”のマル秘ファイル 下りるケース、下りないケース
実際にあった保険金にまつわる怪事件を記した本です。
保険支払い査定人という職業をこの本で初めて知ったのですが、
少なくとも事件の不可思議さにおいては、
へたな刑事や探偵よりもスリリングなのではないかと思いました。
また、保険金はなかなか払ってもらえない印象がありますが、
「実際は保険会社も払いたい」という著者の言葉には説得力があります。
読み物としても十分楽しめますが、
死亡保険の加入者なら興味深いのではないでしょうか。
有事の際に知っておきたい知識を得られると思います。
倒壊―大震災で住宅ローンはどうなったか (ちくま文庫)
ここ数年大地震に対する警戒と認識は高まりつつある。また偽装耐震住宅の問題など、住宅ローンをかかえる多くの国民には最大事の関心ごとでもあろう。本書は、著者の得意とされているルポルタージュを元に阪神・淡路大震災時の被害と住宅ローンの関係を克明に描かれている。
銀行をはじめ金融機関がなしえなかった、住宅ローンについての問題提起・火災保険と地震保険についての問題提起が言及されている点など、今または今後住宅ローンをくみ、持ち家を考えている人には是非一読を勧める。
が、文章表現がやや乱暴であり せっかく問題提起した内容についても言及は少し甘い。その為ルポルタージュ効果が半減しっているのが残念だ。