金賞よりも大切なこと〜コンクール常勝校 市立柏高等学校吹奏楽部 強さの秘密
著者の経歴を拝見すると、教育現場に長くいらっしゃる方のようです。全体を拝見して思ったのは、先生が別の先生の取り組みをじっくりレポートしたんだな、ということでした。ご自身の気持ちのたかぶりとともに目の前の事実の報告をなさっている印象です。とくに指導者の講演にふれたところでは、PTAの勉強会に出席しているような気分になりました。教育者である著者が取材対象である指導者の「教育方針」に感動したのだと思いますが、読み手である私とは感動ポイントに少々温度差があり、腹のそこがスッとさめた気分になりました。
吹奏楽団の活動スケジュール、練習風景などはよくわかりました。完全に客観視するレポートなのか、対象に入り込んだ読み物なのか、どちらかに絞り込んだ方がよかったのではと思います。
吹奏楽コンクール課題曲集 Vol.6
課題曲集・・・発売当初からチェックして
いましたが、買うキッカケがなくて、やっと
手に入れました。やっぱイイですねぇ。
知っている曲は「懐かしい~」って思うし。
知らない曲も、1曲ごとの演奏時間が短めなので
効きやすいです。
“いじめ学”の時代
現行の学校制度では「たまたま」自分に合った良い先生・クラスメートに出会った者は楽しい学校生活を過ごすことができる。しかし、「たまたま」自分には合わない人間と「密着した生活」をしなくてはならなくなった者たちはルサンチマンを感じる。それを放出するための一つの手段がいじめである。
著者はそのような理不尽な「たまたま」で人生を奪われてしまうことのないよう、処方箋を提示している。それが「自由な社会の構想」である。
「たまたま」犠牲にならずに済んだ大人にはわかりにくいかもしれないが、著者は現行の学校制度は個人が環境を選択する機会奪っていることを自らの体験を交えて鋭く分析し、指摘する。
歯がゆいほどの気持ちにさせる一冊である。