NHK大河ドラマ総集編DVDシリーズ 新・平家物語
若き日の仲代達矢扮する平清盛の乾坤一擲の気迫と、斜陽化してからの、やることなすことすべてが裏目に出るという閉塞状態が、子供心にも、強烈に焼き付いている作品だが、残念ながら、ここにあるのは総集編であり、当時は、総集編の作り方も未熟であったのか雑であったのか、所々、わかりにくい部分があり、特に、人間模様などの、説明が必要とされる部分でそれが顕著であるようである。
ところで、この作品を見ていて、ふと、思ったのだが、「平家は頼朝を助けたばかりに頼朝によって滅ぼされてしまった」という、巷間言われる「情けが仇」の見本のような話があるが、清盛が源氏の幼子を助けたというのは、決して間違った判断ではなかったのではないか?
なぜなら、保元・平治の乱という熾烈な権力闘争の後、人々は新しく権力者として登場してきた「武士」という武力を持った新興階級に対し、著しい不安感を持っていたと思われ、遺児らを助けることは、まずは、それら不安感の払拭に効果があったと思うからである。
(現に、清盛死後、平家を都から追ったのは、頼朝でも義経でもなく木曽義仲なのである。)
もっとも、ここまではいいとして、私が疑問に思うのは、なぜ源氏の嫡男を伊豆へなどなど流したのか?ということである。
関東は元々、源氏の地盤であり、今は平家に靡いているとはいえ、湿った火薬庫に火の気を投げ込むようなものではなかったか?
私なら、頼朝は京に留め置き、貴族制に代わる武家政権の樹立という源平共通の利害目的を掲げ、その上で、一門の娘をあてがい、平家一門(武家側と言い換えてもいいかと)に取り込む。
それができないのなら、せめて、源氏の基盤である東国ではなく、平家の基盤である西国へ流すべきだったのではないか。
清盛も、まさか「伊豆」と「伊予」を間違ったわけでもないだろうが、何とも腑に落ちぬ選択である。
NHK「その時歴史が動いた」 平清盛 早すぎた革新~平氏政権誕生のとき~ [DVD]
軍事力。政治力。経済力。
この三つ全てに先見の明があった、稀にみる優れた人物だそうです。
ゲストの作家は、歴史上でもここまで優れた能力があったのは、
徳川家康かこの平清盛だと言っています。
そんな清盛が40代の頃から、保元・平治の乱で上手く立ち回って、
平氏としての勢いをつけていく過程と、
海外の宋と貿易を始めたりと文化の面で革新的行動をしていく過程、
それらがバランスよく短時間の中でまとめられています。
そして後白河法皇との対立と、ボロボロだった源氏の蘇生、
最後の平家一門の崩壊までを、追っています。(清盛自身は滅亡の4年前に死亡)
保元・平治の乱などで敗者の源氏に対しては斬首をはじめ、
とても厳しい仕打ちでいどんだ清盛が唯一、母親に進言されてしてしまった人情に溺れたミス、
まだ子供だった源頼朝と義経の兄弟を斬首せずに命を助けてしまった事。
これが後々、とんでもない能力を備えた武士に成長してしまったのが皮肉。
二人をあの少年の時のまま殺しておけば…と悔やみたくなります。(平家好きなので)
日本全土の過半数を支配下に置いた栄華と、意外にも短期間での崩壊と滅亡、
この儚さがまた平家(というかこの時代)の滅びの美学のようでなんだか好きです。
権力者と共に生まれたその時々の新しい文化と、残されて現存する歴史遺産、
平清盛でいうと厳島神社や美しい平家納経、それらの内容もカバーされてて参考になるDVDでした。
コーエー定番シリーズ 蒼き狼と白き牡鹿・元朝秘史
国政はほとんどすることがありません。
場合におよっては政治顧問に任せてしまっても問題ないです。
ということでこのゲームの売りは「オルド」でしょう。
(これもOFFにできるのですが面白みがなくなるでしょう。)
つまり后を口説くのがこのゲームの面白さです。
コーエーのほかのゲームにはないシステムですし。
コンピュータは馬鹿ですから戦争して弱くなります。
そこが残念ですが世界統一が当然目的となります。
ただほかのゲームと違い息子に跡を継がせることができます。
息子や孫の代で世界統一してもかまいません。
裏切りに気をつければ世界統一はそれほど難しくないです。
パソコンゲームのときはエンディングで
モンゴル帝国を陰で支えたのは女性だみたいな
エンディングだったのですがコンシューマーになって
エンディングは味気なくなってしまいました。
これも残念な点ですがお値段との兼ね合いで星5つです。
遙かなる時空の中で3with十六夜記 愛蔵版~東雲月~
2枚組ということで、どれだけ豪華なのかとかなり期待してました。ジャケットは相変わらずの使いまわしですが、愛蔵版のこの絵は好きなので良しとします。
イベント限定で発売された平泉CDに入っていた曲「浄土と阿修羅の金環蝕よ」のFull.verが入っているのでイベントに行けなかった私としては嬉しいものでした。毎回思うことですが、泰衡の曲はどれも素敵で、今回は雅楽とロックな曲調で華やかでした。
特に気に入ったのは2枚目の「百鬼繚乱 千終楽」です。敵同士のデュエットは初めてじゃないかなと思います。互いの事を言い合うといった歌詞が好きです!お二人の声のハモリも素敵で何度も聞いてしまいます。
敦盛と弁慶の曲はどちらも、光景が眼に浮かぶ良い曲だと思います。語りの後に曲なので、ED後の曲といった感じです。今回の曲が弁慶の曲では一番好きになりました。
ドラマ3本は雰囲気は違えど、それぞれ面白い要素があって思わず笑うことも…。私は望美好きなので嬉しいですが、何人かが名前を呼んでます。気になる方は注意した方がいいかもしれません。(望美本人は出てません)個人的には景時が好きなので「時空を越えて…」がオススメです。
参考までに出演者を・・・
心を繋ぐ弦(譲・与一・将臣・知盛)
神子へ贈る秋の花(ヒノエ・リズ先生・銀)
時空を越えて(九郎・景時)
評価が4なのは、やはり値段が高いと思うからです。容量的にはぎりぎり1枚に収まるくらいなので、1枚で良かったんじゃ…?という思いで4です。朔と白龍は居ませんが、ほぼフルキャストなのでお金が出せる方は買って損無しだと思います!
新・平家物語(一) (吉川英治歴史時代文庫)
NHK大河ドラマになったのが昭和47年。吉川英治没後10年である。私はこの時小学生。仲代達矢の清盛にかっこよさを感じました。
そして二十代になってからこの本を読み始め、途中何度も挫折しかかったものの3年かけて全16巻読破しました。
吉川英治はこの小説に主人公はいない、あえて言えば時の流れであるといいましたが、そのとおりです。また、影の主人公として阿部麻鳥が庶民の立場から源平の動乱を眺め、その視点からこの本を読むとまた新しい読み方ができるでしょう。
16巻とかなり長いので読むのに労力も要りますが、吉川英治の筆力によって読者を飽きさせません。とくに後半の8巻以降が面白く、そこから先は一気に読んでしまいました。
読むのに苦労が多かった割には物語の面白さと権力争いのむなしさを教えられ、さわやかな読後感を与えられましたから星を5つつけました。