七都市物語 シェアードワールズ (トクマ・ノベルズ)
読みましたが、、、うーーん、というところです。
個人的には七都市の魅力はAAAやリュウ・ウェイなどのキャラクターにあると思っていたので、今回の作品は正直期待はずれでした。
主要キャラはもちろん登場しますが、ほとんど脇役扱いに近いです。
シェアード、ということで、まったく田中芳樹と同じものではなく、各作家の個性を無理に出そうとしたのでしょうか?各章にはそれぞれオリジナルのキャラが出てきてそれが主人公となっています。
最終章の「不遇な天才」は完全に別キャラです。
七都市ファンであれば、読んで損は無いですが、「絶対買ったほうがいい」とまでは正直おすすめできないです。
一度書店で立ち読みされてから購入を検討することをおすすめいたします。
『七都市物語』シェアードワールズ (徳間文庫)
「待望の」と冠するには、あまりにもマイナーなこのシリーズ、さて、実物の方の出来がどうかいな、と、試しに読んでみると、予想する以上の佳作揃いだった。
「大転倒」という地殻変動の末、干上がったジブラルタル海峡に運河を建設する公社と、その公社に資本を投入している二都市との政治的軍事的対立や駆け引きを描きながら「ボーイ・ミーツ・アガール」の物語を展開する、小川一水の「ジブラルタル攻防戦」。
異常な出生を持つ主人公と、その主人公を支えるナイーブで凡庸な物語の語り手も兼ねる青年、という、お得意の構図で「この世界ならでは」の虚々実々の駆け引きを展開する森福都の「シーオブクレバレス号遭難秘話」
。
架空戦記畑が本来の活躍の場である横山信義は、「ペルー海峡攻防戦・番外編」として、お得意の海戦、それも、比較的珍しい「潜水艦狩り」を展開、の、「オーシャンゴースト」。
横山と同じ「架空戦記畑」でも、羅門祐人は、やはりこの世界でしか活躍の場がないような、ある種の「トンデモ兵器開発秘話」的な物語を用意する。
総じて、同じ世界を共有しながら、各々の得意とするフィールドの方に引っ張ってきて、のびのびと料理しているなあ、という感じで、どれも(良い意味で)気楽に読み終えることが出来た。