銀河鉄道の夜 (角川文庫)
この本を初めて読んだのは、小学4年生か5年生のときで、学校からの帰り道でした。どうしてそんなことになったのか、とにかく家に向かって歩きながら、分厚い本を広げて読んでいたのを、はっきり覚えています。歩きにくいし、本だって読みにくいのに、それでも話の世界に引き込まれて、えんえん家に着くまで読みつづけていました。家に着いて、イスに落ちついて、つづきを読みつづけて、とうとう読み終わったときにはたまらなく切ない気持ちと、星空と夜の印象が強く胸に残っていました。けっしてほかにはない、とても特別な夜空の世界。宗教的な意識に関わる会話なんかも現れたりしますが、それが本懐というより、もっと核心に触れようとする旅の物語で、なにより物語そのものと、独特な世界観に打たれます。きっと何かが鮮やかに残る、未完の物語です。
松本零士の世界
SFマンガの巨匠の一人で、映画やTV/OVAで多くのアニメを公開している松本零士氏の画業50周年を記念しての名盤復刻盤とのこと。
宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999、キャプテンハーロック等のTV・映画の名ヒット曲に加え,当時の最新作「サブマリン・スーパー99」、また一般には認知度の低い歌まで、当時までのコロムビアの松本アニメソングを集大成した2枚組です。古いファンの方は,最近の曲も新しく聴けるという利点があります。
歌手はささきいさお、水木一郎、堀江美都子、ゴダイゴ,メアリー・マッグレガー等そうそうたるメンバーで、懐かしさ以上にポジティブな力を与えてくれました。
個人的によかったのは、TV版「1000年女王」のOp/Edテーマ。
カヴァーversion ですが、演奏共に素晴らしく、懐かしく感動ものでした。カヴァーだったからというだけで、この記念名盤の存在価値を全否定するのは如何なものかと思います。
また最大の特徴としては,「宇宙戦艦ヤマト 完結編」時に発売された4曲入りの希少シングルから、「古代(おれ)とヤマト」「ヤマトの賦〜海神(わだつみ)〜」「宇宙戦艦ヤマト'83」の3曲が収録されていることです。特に後2曲は映画でも流されておらず一般には知られてない隠れた超名曲で、「ヤマトの賦(ふ)〜海神(わだつみ)〜」は荘厳な歌詞と曲でコーラスと共に歌われ,まさにヤマトの誇りや風格、精神といったものを感じさせられます。
「宇宙戦艦ヤマト'83」は、なんとヤマト航行音・艦橋音?のSEから始まり、1番がバラードで歌われ、川島和子さんのスキャットが儚く美しくロマンチックです。シングルのもう1曲はさすがに長かったので入っていませんが。
次回再発時には,幻の長い曲や復刻盤でカットされた曲も入れて,3枚組6000円程度にしても,十分購入の価値はあると思います。
銀河鉄道物語~永遠への分岐点~第2集 [DVD]
む! いきなり萌えに走り始めたのかと思ったところ。 今回のBOXは静かな感じで淡々と話が展開されていくが内容はスゴク良い癒し系。 BIGONEどこへ行ってしまうのか? とにかく続きが早く見たい!!! ユキって、しっかり地球の宇宙戦艦からDNAつながっているのねん・・・
新編銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
銀河鉄道の夜。
これは大人のための童話だ。
もちろん、すべての人に読んでもらいたいけど。
なぜ、この作品が物悲しいのか?
ジョバンニが自己覚醒する心の旅に賢治は、我々を誘う。
他人のために死んだ者たちが次から次に列車に乗ってくる。
ジョバンニは、人々を苦しみから救うために天より遣わされたことを悟る。
「僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない」
美しい話でありながら、壮絶な決意にいたる。
ジョバンニにとって本当の幸いとは、「他人のために死ぬこと」だった・・・。
オブラートに包んだ語り口調の中に、賢治が達した精神の高みを是非受け止めてみて頂きたい。
銀河鉄道物語 DVD-BOX
古典的名作を多数輩出した松本零士先生の21世紀版銀河鉄道シリーズといえる作品です。
かつての「銀河鉄道999」と同世界という設定で、銀河鉄道運営の舞台裏、鉄道警察兼
レスキュー部隊「SDF」の活躍を、現代水準の完全新作で描かれます。
ヤル気だけは人一倍だが猪突猛進で周りが見えないSDF新入隊員の主人公が、様々な経験や
先輩達に鍛えられ一人前の隊員へと育っていく、まさに王道成長物語です。
本作はBSフジのみの放映で、私も含めTBSで放送の第2期から知った方も多いと思いますが、
こちらの方がよりアツい内容です。第1話からいきなり最終回みたいな超展開で一気に
引き込まれてしまいます。とにかくアツいんです。男の生き様とかそういうのが。
え、松本零士?あんな昭和の遺物を有り難がってるのなんて年配の往年ファンだけでしょ??
失礼ながら最初は私もそう思っていました。しかしそんな方にもオススメです。
確かに作風などに古臭さがそこはかとなく感じられますがむしろそれは味。
逆に今の世代のクリエーターにはなかなか描けない「失われし良さ」が多分にあります。
中でも見所は、父・上司・先輩など、「父性」を前面に押し出した厳しくも暖かい「男の優しさ」。
昨今のアニメで描かれる父親像と言えば、やたら大人しくてミョーにものわかりのよいパパか、
さもなくばロクデナシ又は暴君等のダメ親父か、それ以前に父親の存在自体が全く無視されているか。
そんなのが圧倒的多数の中で、アニメでは避けられがちだったこういったテーマを、真っ正面から、
かつ肯定的に捉え「男の為の男の絆の物語」として描ききったという点でも傑出した希有な作品
ではないかと思います。
もちろんそんな説教臭い事は全く考えずにエンターテイメントとしても第一級の内容です。
毎回様々な任務に果敢に立ち向かっていくSDF隊員達の勇姿はカタルシス重視で描かれており、
悲壮感漂うイメージがある過去の松本作品に比べると本作は異色な部類なのかもしれませんが、
爽快感ある視聴後感で私はこちらの方が好きです。
時が経っても色褪せないであろう名作をおトクなBOXで是非!