ウホッホ探険隊 [VHS]
根岸吉太郎監督による1986年の作品。主演は十朱幸代。共演は田中邦衛、藤真理子、陣内孝則など。原作は干刈あがたによる同名小説。脚本は微妙な年代の少年を書かせたら右に出るものはいない(と個人的に勝手に思っています)森田芳光。
主人公の主婦(十朱)は2人の男子を育てつつ、母親業も仕事(ライター)もこなす頑張り屋。夫(田中)は単身赴任中の食品メーカー研究員。しかし、同僚女性(藤)と不倫の関係で、あまり家庭を顧みないという根岸作品お得意の中年男像。やがて夫の不倫は妻に知られることになり、妻は離婚を決意します。
失われつつある家族の絆をテーマにした作品ですが、離婚をしても努めて明るく振る舞う母親(十朱)と母を常に気遣い、いたわる2人の息子の心温まるやりとりは癒されます。しかし、そこは難しい年代の少年ですから時に母を苦しめ、母も辛い立場を大粒の涙を流しながら、2人の息子にぶつけます。父親(田中)を尊敬する息子たちは父親のことがなかなか心から離れず、そのことで母親は悩みます。
健気に頑張る母親を十朱幸代さんが好演。母子家庭を支えていますが、取材先で誘惑されたり、屈辱的な扱いを受けたりします。だから、耐えきれなくなって2人の息子に向けて「私だって外で働いていて、君たちには言えない悩みがあるのよ!」と大声で泣きながらストレートに感情を露わにしたりします。そんな母の思わぬ姿に2人の息子も号泣します。母子家庭、父子家庭などは、いまどきそれほど珍しくもありませんが、たとえ両親が揃っていていたとしても、家庭にはそれぞれ他人には言えない秘密や悩みがあります。頑張ることも、耐えることも必要ですが、ときに感情をぶつけ合うことも家族だからこそ、と改めて感じました。
ザ・ベリー・ベスト・オブ・鈴木さえ子
当時は夢中になって聴いていました。
今でもアルバムは全て持っています。
独特の世界観、ふわふわしているようでしっかり足は地に付いている。
そんな彼女の楽曲が凝縮された1枚です。