エルヴィス・クリスマス・デュエット
アメリカンポップスを牽引する女性カントリー歌手とのデュエットによるエルヴィスのクリスマスCDです。1957、1971年の録音からボーカルを抽出し、改めて楽曲を作った新作CDとなっています。さほど期待もせずに購入しましたが、エルヴィスの声の質感や落ち着いた雰囲気、中にはR&Bの激しさがカッコ良いものとなっています。クリスマスはウキウキした気持ちになるというか、幸せを感じることとは、こんな演奏なんでしょうね。ジャッケット開くと、雪の中で、軍服で正装し、若さあふれるエルヴィスが笑っています。ちょっと切なく、でも新しいエルヴィスに会えてよかった。エルヴィスが大好きで良かったと思えるCDでした。もし、当時のオリジナルをお持ちの方は、是非、買い替えをお薦めします。
演奏は一部ジェームスバートン(ギター)を使っていますが、基本は現在のミュージシャンで行っております。“ブルークリスマス”“サタククロースがやってくる”“サンタが町に来る”は実にいい。“クリスマスは我が家”でのピアノがステキです。いずれの曲もバックコーラスがいいなと思ってクレジットを見ると“The Jordanaires"とありました。
Country Croonin'
93年のスタンダード集『Crooning』の続編ともいえるCDだが、出来ばえと中身の濃さはこちらのほうがはるかに上。いわば彼女のルーツ的な曲目ばかりを選んで構成されているが、その選曲のセンスは抜群。50年代から70年代にかけてのカントリーヒッツを感情を込めながらもさらりと歌っている。まさに「クルーニング」(小鳥がさえずるように歌うこと)そのものである。バックミュージシャンの編成やアレンジもシンプルで、原曲のイメージを壊さぬように配慮されている。特にドラムスがスティックを極力使わずブラシワークでリズムを刻んでいるのがいい。しいて難をいえば、全盛期に比べて若干の声の衰えが気になることくらいか。
Best So Far
気がつくといつの間にか大人になっていて、それは悲しいことではないはずなのに生きていくのさえ辛いといがあります。
空を飛ぶスノーバード(ゆきほうじろ)に「悲しみのない世界に連れて行っておくれ」と歌うデビューヒットの「Snowbird」。
もう死んでしまおうと思った時に、あなたが私を必要としてくれたから生きていけたと歌う「You Needed Me」。
不器用にしか生きられない自分だけど、これからの人生も踊ってくれますかと尋ねるしみじみとしたワルツ曲「Could I Have This Dance」。
苦しい時期、辛い時期を越えてきた人だけにわかるやさしさにあふれた曲の数々。
あたたかいヴォーカルを聴かせてくれるアーティストはたくさんいるけど強さを秘めたアーティストはそう多くはないと思います。
寒い冬の夜をあたたかい気持ちにさせてくれる数少ないアーティストです。