あやし (角川文庫)
暑い夏の夜、ふとんに持って入るのにぴったり。
一気にスーッと涼しくなること、請け合い!
個人的に一番好きだったのは「安達家の鬼」。
幽霊も鬼も恐ろしくはあるけれど、
それにも増して怖いのは人の心の業と哀しさ、
そう語りかけてくるような短編。
藤沢周平的ヒューマニズムはせつなく、
江戸的情緒はあくまでも美しく、
読み終わったあとは一人でトイレにいくのがコワイ。
宮部みゆき、読ませまっせ。お一ついかが?
影牢~刻命館真章~
元となるゲームの内容は人(子供や女性含む)を
罠に嵌めて殺害するというかなりダークなもので、
下の方が仰っている通り、人を選ぶゲームかもしれませんね。
しかし曲はどれも名曲ばかりです。
基本的に悲しく、暗い旋律が多いのですが、
どれも飽きさせない不思議な魅力がありますね。
「たゆたうような」という形容がしっくり来るでしょうか。
個人的には11の「孤独の王国」と36の「暗黒の翼」がお勧め。
誰もいない真っ暗な部屋で、目を閉じてじっくり聴きたい1枚です。
PSone Books 影牢~刻命館 真章~
侵入者を迎撃していくという趣のアクションゲーム。暗めのストーリーと世界観に契合した傑作な音楽が一体となって独自の雰囲気を醸成している。アクションゲームと銘打ってはあるが、実際にはパズルゲームのような感覚も併せ持つと思う。侵入者をトラップという技法で撃退していくわけだが、このトラップの構成にパズルゲームのような発想が要求される。とはいえ、習熟するのはそれ程難しくもなく、ゲーム自体も音楽からキャラクターまでいい完成度なので、未体験の方は一度プレイしてみてはどうかと。
影牢2 -Dark Illusion- 公式パーフェクトガイド
「パーフェクトガイド」と銘打つだけあって、隠し罠を含む全ての罠のデータ、サイドストーリーやサバイバルモードに登場する全ての敵のデータ等、先に発売された「マスターガイド」に掲載されていなかったデータが多数収録されています。
ただ、攻略に役に立つのかといえば別の問題で、トラップバトルの特性を効果範囲などの図を交えて懇切丁寧に解説していた「マスターガイド」のほうがやり込んでいない方には役立つと思います。
読んでいて面白い記述も少ないし、裏情報や開発者の声が聞けるわけでもない、写真等のビジュアル面でもイマイチぱっとしないなど、少々期待はずれと言わざるを得ない一冊です。データブックとしてはパーフェクトなのかもしれませんが、それ以上でもそれ以下でもないですね。
蒼魔灯 オジナルサウンドトラック
3Dトラップバトルシリーズは「蒼魔灯」が初プレイだったので、そうした経緯からレビューします。
※後に「影牢」「影牢2」もプレイ済み。余談ですが、封入されているステッカーはパッケージの書き下ろしイラストと同じものです。
先ず、収録内容はムービー、フィールド、エキスパートモード、トラップ関連、その他各種画面と全ての楽曲を網羅しています。
また、楽曲は概ねストーリー進行に沿って収録されており、フィールドやシーンを想起させる作りで好感が持てます。
前作「影牢」の主人公、ミレニアの悲壮でダークな魅力と比較すると、「蒼魔灯」は儚くも芯の強いレイナの心情が良く表現された
ドラマティックな仕上がりで個人的には前作よりも好みの曲は多め。
ただ、CD1枚という点でディスク交換をしなくて済むのは手間が省けて良いのですが、難点として、
曲数が63曲もある為、1曲の収録時間は平均1分〜1分半と通常のサントラと比較するとかなり短め。
ゲーム本編では、フィールド内の通路(部屋から部屋への移動時)は音楽が流れないせいもあってか、
元々1曲の収録時間は短いのですが、それでも特に、フィールド曲には耳に残る素晴らしい曲が多いので、
欲を言えばここは2枚組になったとしても収録時間を延ばして欲しかったと言うのが正直な所。
全体的には、曲調の幅が前作よりも広いので飽きずに聴けると思いますが、やはりゲームサントラですので
未プレイでの購入は余りお勧めしません。映像との相乗効果という点でもそうですが、某動画サイトでも視聴出来ますし、
ゲーム「蒼魔灯」ではサウンドテスト機能があり、曲や敵の断末魔が聴けますので、それでも尚、フレデリック国王のように
「よい、よいぞ!」とサントラに価値を見出した方は購入すべき。個人的なお勧め曲は「赤い月を仰いで」「壊れた螺旋階段」等。