アニメイヤ~ジブリ・ソングス~
ナウシカの曲など、非常に聞きなれた曲には
違和感を感じるがアリエッティなど聞いたことの
ない曲はすんなりと受け入れることができるので、
たぶん聞いたことがない人が聞けば、すべて
素晴らしいと思うことだろう。
アンチクライスト [Blu-ray]
私はこれ劇場に見に行って、即その日に北米版ブルーレイ注文をしました。だってモザイクだらけの画面に何がおこっているかは充分理解できる内容ではあるのですが、淡々とした禅問答のような流れの中に突然直接的な過激な表現が入るというのがこの映画の一番の魅力ですから、日本バージョンではこの映画を見たということにはならないと思ったからです。ものすごくストレスでした。劇場版ではモザイクの周りの映像と声と台詞で、今画面の中でおこっていることを想像する闇鍋状態でしたが、恐らくソフトの方も日本で出せるのはそんなに変わらないと思います。冒頭からアリアに奏でられた美しいラブシーンに、性器結合のクローズアップがグロテスクといえる唐突さでいきなりインサートされたりしますから。そしてこのラブシーンがラストまで続く謎とねじれた愛と狂気の全ての始まりとなる非常に重要なシーンとなっていて、一瞬のカットではありますがオリジナルバージョンでないとこの奇妙な感覚のむきだしの映画の段々と狂っていくスタートにはふさわしくないとさえ思われます。1度見たくらいではわからないところもたくさんありますし、この冒頭のシーンは子供のおもちゃのアップにも全てに意味があるということですので、じっくり紐解くには日本語字幕はやっぱり欲しいところですけれども。宗教・人間の業・悪魔崇拝とかなりディープに踏み込んだ内容でもありますので、台詞の1つ1つも重要ですしね。そのあたりを食い入るように見ておかないと、狂気が加速して狂暴に爆走していってしまった後のラストシーンが何のことやら。まぁまたこれが美しいラストであり、2回見た私もやっぱりわかったようなわかってないようななんですが、いずれにせよクライマックスが闇鍋ではこのラストシーンもいきてこないのは当然でしょう。まぁこの過激すぎて残虐すぎて哀しすぎるクライマックスですが、一緒にオリジナルを見ていた妻は正視できずにずっと眼をつぶってましたので、そんな輩には日本版で充分だろうと突っ込みを入れたりしましたが・・。とにかく愛と再生の物語だと思って見ているとひどい目に合います。R−15バージョンというのが、この映画の狂気を保っているのかはすごく気になるところではあります。
キラー・インサイド・ミー [Blu-ray]
ジム・トンプソンと言うと、50年代から60年代に掛け、パルプ・マガジンに犯罪小説を連打させ、その死後アメリカ本国では評価が高まった無頼派作家であるが、暗黒・ミステリー映画ファンの間では、「ゲッタウェイ」や「グリフタ―ズ」の原作者であり、スタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」や「突撃」のダイアローグ・ライターを手掛けた人物であり、そして、ディック・リチャ―ズの「さらば愛しき女よ」にシャーロット・ランプリングの夫役で出演していた事で知られている。
その映画化の際には、今や真っ先に原作者の名が紹介されるほど、その作風は濃厚で容赦ないのだが、今作も、いかにも背徳的で倫理観も道徳心も全く存在しない暴力と愛欲が横溢する作品世界となっている。
沈潜した殺人本能、サディスティックで攻撃的衝動、倒錯した剥き出しの欲情、そして、冷酷なニヒリズム。
イギリス人監督マイケル・ウインターボトムは、スタイリッシュさを排して、そのねっとりとした漆黒の心の闇と狂気を重厚に描いている。
ケイシ―・アフレックは出ずっぱりの熱演だが、曖昧さと確信さがない交ぜとなった表情と、完全にイッテいる“眼力”が、トンプソン世界の主人公として際立っている。
ジェシカ・アルバもケイト・ハドソンもよく出たよなぁ。トンプソンの映画化作って、殆ど“男たち”しか印象に残らないのだけど(例外は「グリフタ―ズ」の超ホットなアネット・べニング!)、哀切さを漂わせながら、頑張っている。
アルバは、年を重ねる程に露出度が多いアブナイ役柄が増えてきているような気がするが、、、イイ女だけど、ハドソンの凄みにはちょっと足らないかな。
主人公は、何故に殺人をいとも平易に続けるのか?我が身に容疑が迫っていても、己の犯罪を隠蔽する事に腐心している様にもあまり見えない。自らの内にある破壊衝動なのか、歪んだコンプレックスに依るものなのか、やはり、サイコ・キラーのなせる性なのか、ここら辺は観る者の判断に委ねられる。
パルプマガジンのスクラップブックの如き、俳優たちがクレジットされるソウル・バスタッチのオープニング・タイトルや、オペラからジャズまであらゆるジャンルの音楽を効果的に配した音楽センスも洒落ていた(サントラ盤が欲しい)。
その音響と光と闇のノワール様式と撮影文体を堪能する為にも、ここは当然BDをチョイスすべき。
ラストの決着のつけ方、後味が悪いと思いきや、その後流れる“Shame on you”で大爆笑、これってひょっとしてブラック・コメディなのか、と一瞬思った。
個人的には、いくら犯罪映画とは言え、女性をあそこまで殴打する描写が必要か、とも思えるが、アルバの女優魂も加味して★5つを捧げたい。
秋のソナタ【字幕版】 [VHS]
「鳴弦!イングマル・ソナタ」
・・
『秋ソナ』である。20世紀を代表する映画監督10人に
選ばれる事も多い、というよりも殆ど「常連」の「十傑衆」の
一人、「『沈黙』のベルイマン」が放つ最強の「映像言語炸薬弾!」
リブ・ウルマンが「沈黙」しねー!「打ち噛まし捲くり」である。
「炸裂する!イングマル節」を堂々、受けて立つのが
イングリット・バーグマン。『嫌われ松たか子』なんぞ
よりも「モーレツ」である。十代後半の娘が母親に対して
「壮絶!苛烈!激烈!」なる強襲猛攻の手を休めない!
小学生くらいの娘さんをお持ちの母親の方達は
今のうちに見て置いた方が
宜しかろう、と思いレビューさせて頂いた。
しからばっ!