青春の殺人者 デラックス版 [DVD]
受験浪人生が金属バットで親を殴り殺す、という日本の戦後で初めての親殺しという衝撃的な事件(今や日常茶飯事で衝撃もなかろうが)が起きたのはちょうど、この頃だった。
1976年のキネマ旬報日本映画1位となった作品。長谷川和彦監督はデビュー作にしていきなりの1位という史上初の快挙。小子はそのキネ旬表彰式(77年の2月頃。於:千代田劇場=日比谷映画街にあった)で見た。それ以来は一度も見ていない。本DVDも未購入。時に16歳。今なら入場制限が付くはずで、実際この年齢の人間にはかなり衝撃的な映画ではあった。が、それ以上に表彰式での出来事がこの衝撃以上に忘れられない。
当時のキネ旬・白井佳夫編集長解任劇を巡る抗議グループがこの日、場内の主要席に陣取り、会場内に怒号の嵐が渦巻いた事件だ。突然の出来事に何のことかわからない本作の主演女優賞(『大地の子守歌』も対象)だった原田美枝子さんは、終始ほとんど半べそ状態だった。
白井氏の解任理由は確か、ルポライターの竹中労の連載が突然、中止されたことに端を発したものらしいが、詳しくは忘れた。だいたい竹中労が何で映画のこと書くのかわからんが、それで解任した側というのもふるっていた。当時のキネ旬の発行人は金森子鉄という人物。いかにも怪しげな名前だが、実はこの人、最後の「大物総会屋」と言われる人物であったことがその後何年も経ってから明らかになった(といっても本人はそうじゃないと否定していたが)。どういう経緯でこの人が日本で最も権威のある映画批評誌とされていた雑誌のオーナーになれたのかは知らない。恐らく、大手映画会社の株をたくさん持っていたことから、その株とのバーターで経営権を手に入れたのではないかと想像する。
どだい興行の世界は昔からアングラが関係しているのは知れた事実。今から思えば、当時この雑誌に寄稿していた高名なる日本のほとんどの映画ひょうろん家氏は、結局のところ、ソーカイヤからお金もらっていただけ、ということになるので、ちょと衝撃的な事実ではあろう。
今やレビューなどは素人がこうやって(と言っても自分はリアルの世界ではプロのライターだが)無償で書くべきものになりつつあるから、偉そうなひょーろん家先生のレビュー行為がだんだんと無効化されていくことはたいへんよろしいことだとは思う。
千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection)
小説はほとんど読んだことがなかったのですが、読んだ人に紹介されて買ってみました。
年齢も生まれも差別も障害も貧富も、あまり重要ではなく、生きていても死んでもものごとに執着する必要はないのかな、という気分になりました。時の流れのなかでは人間も虫もそう違うものではないのだろうと思いました。作者は男性だと思いますが、美青年の描写が少女漫画みたいでわくわくしました。
青春の殺人者 デラックス版 [DVD]
高校のときこの映画に出会い、かなりのショックを受けました。
ちょっとした事をきっかけに平凡な日常生活からドロップアウトしてしまう主人公にある種のあこがれと共感を感じたのを覚えています。
親殺しという重いテーマを真っ向から捉えており、21世紀の今の若者にも是非見て欲しいと思います。
路地へ中上健次の残したフィルム [DVD]
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日本の路地を旅する
僕は生まれて以来関東の都心で暮らしているため、被差別部落というものの存在を、ほぼゼロに等しく実感した事がない。無論、日本史で江戸時代に身分区別が作られた事は知っているし、被差別部落に関する本を読んだり、故・中上健次の小説で「知識」としては知っている。だが、著者の本作を読む事によって大名の地方移転に伴って、彼らに付いて全国に広げられた事を初めて知った。なおかつ、被差別の方々の間も決して一枚岩ではない断絶がある事も初めて知った。
上原氏のクールな視点の文章で綴られる本書は、デオドラント化された現代の都心にいては解らない日本の姿が、浮かび上がってくる。
僕自身、最近歴史を改めて勉強し始め、所謂山川から出ている本では解らない日本の歴史の姿が知りたい、という思いが強くなっている。著者の記述にもあるが、何故「牛」という動物だけが死ぬとけがれの対象となったのか?一体いつ、どうして被差別という位置づけが概念として定着してしまったのか?そして、今でも続く余りに残酷な差別は何故なのか?本書は良い意味で大きな疑問を残してくれる。そして、今でも、何かあると「あそこは・・・」という言葉が囁かれる厭らしい実態を知ることができた。〜一時期、同和利権に関する本が連続的に出版され、そこでの金儲けを糾弾する論調が続いた事がある。確かにそういう人もいるのだろう。だが、そういった一部の人達の行いによって、大部分の普通の人達すら「あいつらはみんな・・・」という眼が生まれるのは、余りに馬鹿げた事だ。小説を読む合間に世界史の通史を勉強しているのだが、その後にはインドやネパールの歴史も勉強してみたい。かつ長く積本になっていた『被差別部落一千年史』岩波文庫を読もう、という気持ちにさせられた。