コネクト(アニメ盤)
ClariSセカンドシングル・「魔法少女まどか☆マギカ」のOP曲。
これが現役中学生!?とだれもが驚く、安定感のある歌声は相変わらず。
もともと曲自体がかなりアップテンポ、かつしっかりした作りなのもありますが、曲に負けないだけの安定した(ぶれない)歌い方が光っています。
それでいて発声にまだまだ未完成な部分も含んでいるのが、また魅力でもあります。
歌詞もアニメに通じるちょっと意味深な内容ですし、番組の人気と相まってCDの売り上げも絶好調。クラリスはなんというか、「当たるべくして当たる」運にも恵まれているように感じます。
カップリングの2曲も、若々しさがよく出ていて気持ちいですし、TVサイズ「コネクト」も収録する充実の内容。カラオケがないおかげで、延々とループで流しておける中毒性もあります。
素直に次回作が待ち遠しいユニット。更なる活躍を期待します。
DRAMATIC IRONY―藤崎竜短編集2 (ジャンプコミックス)
あの「封神演義」の藤崎竜先生の、独創的な世界観を見せ付けられる作品集。私達に大きな印象を残してくれる4つの短編が収録されています。
驚くべきはその美麗な絵と、物語の一つ一つにこめられた深いテーマ。特にこの本のタイトルにもなっている「ドラマティック アイロニー」は、両極端な存在「正義」と「悪」について深く考えさせられました。ただの漫画とはいいきれないほどつくりこまれたストーリーです。
藤崎先生の哲学的な思考にどっぷり漬かってみて下さい。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
キャラクターコメンタリー風特典映像がつまらないです
デフォルメキャラが可愛くないうえに短いです
普通に副音声でキャラクターコメンタリーを収録してほしかったです
あと、この値段なら三話は入れてほしかったです
Contingency, Irony, and Solidarity
本書の序文は、上述のタイトル文で始まる。プラトンというヘレニズムの代表者と欧米哲学の背後を支えるキリスト教の主張を、公共的にも私的にも融合しようとする<欲張り(筆者)>にして、現実的で政治的な枠組みで人間と哲学の関係を検討しようとする。しかし、この二律背反的なテーマを棄て去り、公と私が共約不可能と居直られたときに、どう対応すれば良いのか、というのが本書が試そうとする議論である。そして、この矛盾に満ちた課題を解読するために、リベラル・アイロニストという人種を設定する。リベラルとは「残酷さこそ私たちがなしうる最悪のこと」と考える人であり、アイロニストは「重要な信念や欲求は、時間と偶然性を超えた何ものかに関連して」いるという考えすら捨て去れる唯名論者を指す。
現実世界のアポリアを、徹底的な合理論で再検討しようとする著者の戦略的な議論は、まさに目から鱗が落ちる思いである。援用されるテキストも哲学者から文学者まで、哲学の終焉が、文学の始原と謂わんばかりに「言語論的転回(Linguistic turn: 言語それ自体への回帰)」を実行してみせ、実り豊かな議論のシンフォニーが響く。味読に値する1冊である。