続弾!問題な日本語―何が気になる?どうして気になる?
「びみょー」「ありえない」「コーヒーで大丈夫でしょうか」などなど、おかしいようなおかしくないような日本語を、丁寧に解説してくれている。
この本のよい所は、若者言葉だから駄目、と断じてしまうのではなくて、文法に鑑みて、世の中の風潮もしっかり踏まえて結論付けているところだと思う。推定文のようなものもあるけれど、言葉は生き物。研究者だからといって断定は出来ない。それにこの本は研究論文ではない。
最近はいろんな感情や思いをたった一言で言ってしまうことが多いと思う。それが「びみょー」だったり「普通」だったり・・・。確かにその通りなのだけれど、これではやはり記号的ではないだろうか。。。
日本語は、ひとつの意味を表すのにも多種多様な言い回しがあって、更にそれぞれ少しずつ異なったニュアンスが含まれているはず。だから非常に難しい言語であって、綺麗な言語なのだと思う。
それがどんどん簡素化されていくのは寂しいような気がする。
先にも書いたように、言葉は生き物。
変わっていくのが当たり前だけれど、日本語の素晴らしいところはきちんと残して行きたいと思った。
自分も反省する点が多々あるなと、いろんなことを考えさせられた本だった。
[問題な日本語番外] かなり役立つ日本語クロスワード
入院し時間をもてあましている父にこの本を差し入れしたら大変喜んでもらいました。
雑誌のクロスワードに比べて、見やすく内容もまとまりがあり、解くのも楽しくできたそうです。他のクロスワードの本は2割程度の問題をやったところで途中でやめてしまったのに、この本は全問解いた(着手した)とのことでした。
問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?
以前居酒屋で、店員が「お通しになります」と言ったことに、「ふ~ん、後何分ぐらいでお通しになるの?」とつっこんだことがあります。その店員は「えっ?」と言っただけでこちらの意図が通じませんでした。空振り! 特定の業種では、それくらいフツーの表現なんですね。
この本、結論から先に言いますと、ものすごく役にたちました。「言葉は変化する」ものであることを前提として書かれているので、多くの辞書や、共同通信や朝日新聞発行の用字用語集だけで判断すると形式的になりがちな部分が、心地よく揉みほぐされていくのを感じました。日本語とは難しい、でも楽しいことを実感できます。
ただ、執筆者が複数であるせいか、やや不明瞭で難解と感じられる箇所があり、普段から文章に親しんでいる人でないと「だからどうなの?」という疑問が噴出するかもしれません。つまり、白黒はっきりさせるのではなく、言葉は空気を読んで使え、という本ですね。しかし、明らかな間違いに対しては鉄槌を下していますから、ご安心を。優しく書かれていますが内容の深い本です。