終身刑の死角 (新書y)
とても勉強になりました。死刑廃止論者も終身刑導入論者もここまできちんと熟考してはいないと思いました。
保釈のない終身刑になった人は一生衣食住を保証されて殺人と脱獄以外は何をしても罰せられない。かと言って死刑がよいのかというと冤罪だと取り返しがつかないし、死刑を望んだ被害者家族だってほんとに死刑が執行されたらうれしいとは思えない。だいいち大半の殺人事件では被害者家族は加害者である。
みんな無期懲役は10年以上たったら保釈されるとおもっているが実際にはほとんど全員の無期懲役囚は事実上の終身刑になっている。
無期懲役囚が保釈されるのは非常にまれで20年、30年の懲役のあとで再犯の可能性がなく社会で安定した生活が望めてバックアップもある人に限られる。しかも死ぬまで警察の監視下におかれる。
ただ、再審で無罪になった死刑囚以外の冤罪についての記述があまりないので冤罪についてどう対処するのかの考察も欲しかった。
交通事故判例百選 (別冊ジュリスト (No.152))
表紙の目次に書いてあるように色々なケースに対するやや特殊な判例が多数収められています。
一つの事案に対する弁護士の見解等が大変細かに解説してありますので、この本に収められているケースに該当するような事案に遭遇した場合、大変参考になると思います。
ただ、全てではありませんが、掲載事例が「昭和44年」とか「昭和50年」等、今から30年以上古いものも多く、最新の判例や法の解釈を調べるには不向きかも。