ブーリン家の姉妹 [Blu-ray]
ナタリーポートマンやスカーレットヨハンソン見たさで買ったのですが(^^)、あまりの超高画質に仰天しました!
最後まで全くゆるみのない硬質な精密描写と、陰影の諧調の豊かさ、黒の締りの完璧さにしばし呆然。
暗い中に浮かびあがるヨハンソンの金色の髪の美しさといったら…。
特に画面の隅々まで完璧にピントがあった広角の映像は圧巻です。どれだけ遠景であってもボケてる部分が全くない!もはや完全無欠といっていいでしょう。
長い間ハイビジョン映画を観てきましたが、初めて出会った超高画質映像です。現行の2K方式(1920×1080)が続く限り、この画質を超えるソフトはおそらく出てこないでしょう。
買って間違いのない『至高の美術品』です。
ブーリン家の姉妹 (上) (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
あらすじは他の方がすでに書いていると思うので飛ばします=)
面白かった〜!!
一人ハイボルテージでエキサイト、一気読みでした。
冒頭ギロチン処刑シーンの2ページ目には物語に入ってました。
女のプライド、嫉妬、野心・・ここまでやるかって程のドロドロ宮廷劇だけれど、
根底にあるのはアンとメアリーの愛憎が相反する複雑な女の心理。
それから、居場所など無い場所で必死に居場所を探し続けるもの悲しさ。
冒頭の姉妹14,5歳時にはすでに骨の髄まで女で、
姉妹を出し抜いた喜びや自分の容姿で脚光を浴びるとクスッとほくそえむような嫌らしさを持っているところが怖くもあり引き込まれました。
単に正義と悪ではなく、そういう人間の嫌らしさや愚かさをよお〜く分かっている作者で、またそうした心理の表現が無駄無く巧みだなあと感心しました。
読み終えた後も物悲しさ、切なさが残る深みのある大河ドラマでした。
映画ではそうした「そこが面白いのに」って部分が見事に抜け落ちていたので
是非読んで欲しいです。
個人的に映画は全く別の物語になっていると思いました。浅い。
メアリーと姉妹の母親がただのいい人になっちゃってるし・・。
恋する雪 愛する空
ここ最近、読書ばかりで音楽からすっかり遠ざかっていた私。
久しぶりに音楽でも聴こうと思ったところ、こちらのシングルの発売を知り、発売と同時に早速聴いてみました。
本当に美しい歌声ですね。テクニックだけでなく、歌の心を十分に伝えることができる2人。これこそが「本物の歌唱力」ですね。
『恋する雪 愛する空』は切なさあふれる歌詞が冬にピッタリ。
特に「心は叫んでるよ」の部分の裏声&ビブラートは実に見事。「相手への強い気持ち」が上手く表現されています。
そしてカップリングの『キスからはじめよう』は、少しアップテンポな曲。
この曲って結構、難易度高いように思います。歌唱力のある彼らだからこそ、テンポを上手く捉えて歌いこなし完璧な仕上がりになっていますので、聴きながら「上手いよなぁ」と感心していました。
うむ、素晴らしい歌と素晴らしい歌手の相乗効果とは聴き手の心を豊かにするものなのですね。
愛憎の王冠 (上) ブーリン家の姉妹2 (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
「ブーリン家の姉妹」から時代は進み、ヘンリー八世の子供たちの時代になっています。
この物語は、エドワード六世の死去からエリザベスが女王になるまでの、女王メアリーの時代を中心に描かれています。
とは言うものの、この小説の主人公は“聖なる愚者”ハンナです。
彼女が、宮廷道化師としてロバート・ダドリー、メアリー、エリザベスの三人に仕えながら、この乱世を生き抜きながら女性(人間)としても成長して行く物語です。
この話の進行役であるハンナは、単なる宮廷道化師ではありません。
彼女は、予知能力者でもあります。
この設定の上手さ、ストーリー・テラーの魅力的な物語が、読者をメアリー、エリザベス姉妹の愛憎の世界に引き込みます。
そしてその世界は、異端審問による異教徒の虐殺の時代です。
そんな悲惨な時代にあって、ユダヤ人である主人公がその生命の危機を意識しながら、同時に二人の王女に愛され、二人の考え方、生き方の違いを学んでゆきます。
ラストでハンナは、「愛のために胸が張り裂けた女を見てきた。わたしのメアリー女王。愛を退けたために、魂が張り裂けた女も見てきた。わたしのエリザベス王女。」と評価し、自分がなにを望んでいるか知らない「愚者」だったと振り返ります。
そして、「わたしはわたしでいたい。」とこれからの自分の生き方、決意を固めて終わります。
歴史的には、宗教改革の進行する中、大航海時代前夜のヨーロッパ諸国の覇権争いの時代です。
政治体制としては、絶対王政がやがて成長する時代です。
メアリーもエリザベスもそうした時代の寵児であり、ハンナの評価はその通りかも知れないのですが、二人にとっては「王女」として時代に要請された選択肢のない生き方だったのかも知れません。
そんな中で、一般庶民であるハンナが自分の道を見つけてゆくと言う形で、小説としてのバランスがとられており、なかなか良くできた作品だと思います。
前作の「ブーリン家の姉妹」より、小説としては面白いと思います。
ブーリン家の姉妹 (下) (ブーリン家の姉妹) (集英社文庫)
暇つぶし程度になにか読みたくて、買ったんですが、見事にはまりました。
この時代の、アンブーリンやヘンリー8世のことはよくしらず、「そういえば昔世界史でヘンリー8世の国王至上法とか習ったような気がする…」とかそんな程度です。
ですが物語にはすんなり入っていけました。
翻訳者の方がウマいのかと思います。
情景などがすんなり浮かび、その世界に飛べます。
ヘンリー8世、及び当時の男尊女卑っぷりには辟易しますが、
こういう時代が確かにあったのだな…と思うと色々な思いが次々と。
憎み合いながらも心のどこかでつながっている姉妹の心境がよくわかり、
華やかで贅沢な暮らしなのにけして満たされる事無く、
世継ぎがすべてだった宮廷の暮らし。
王のひとことであったこともなくしてしまえることのできる時代。
私はまだエリザベス1世のこともよく知らないので、
これから映画でも見たいと思います。
アンの娘がどうやって名だたる王女へと変貌をとげたのかも非常にきになります。
映画はこれから観ようと思っていますが、
結末が結末だけに、躊躇しています…
個人的な感想をいえば、
「報いというのは返ってくるものなんだな…」とおもいました。
世継ぎなんてくだらない!!
全くもっててくだらない!!!
人の命をなんだと思ってんだ!そんな血統はさっさとなくなってしまえ!とか思ってしまいます。