G線上のアリア100% rosso
バッハの管弦楽組曲は名作3番の2楽章(Air)を料理しつくした「G線上のアリア100%」は既に発売されていますが、期待を裏切らないものでした。その2枚目ですので、さらに面白い演奏を聴かせてくれると思います。
PSP・ライヴ
2007年に凍てつくN.Y.からL.Aに居を移してから届けられたニューアルバム"At World's Edge"。そこには、N.Y時代の友人達、そしてこのライブアルバムにも登場する、サイモン・フィリップスとピノ・パラディーノという、N.Y、L.A.2つのリズム・セクションが巧妙に配置され、幾分明るい日差しが似合うアルバムに仕上がっていた。
所で、このライブアルバムで、Masques演ってますが、アルバムバージョン(1994年)も実は、ピノ・パラディーノだったりします。また、最新アルバムは、多分引っ越したばかりで自分のスタジオに篭れなかった時期に、旧知の友人ネットワークを探した結果サイモン氏と良い縁があったからでしょうね。深い意味は無いと思います。
また、L.Aに引っ越したセスをイチ早く捕まえてアルバムプロデュースを任せたRick Braunの"All It Takes"なんかも、このライブを聴く前に、いっとくといいかもしれません。
アルバムに収められた楽曲はトータルでセス色満開です。というかこの世界でもほんの一握りの「強烈な自分の音、アレンジを持っている職人」なわけですからそれは仕方の無い事よ。所で本当にこのアルバムはライブアルバムなんでしょうか?生のダイナミズムを感じる前に、スタジオ録音の様にも感じます。しっかし3人とも巧い。つうか本当に3人で作っている音なのか?という位、シンセ、プログラムドラムに囲まれて、その上で、縦横無尽にソロを走らせるセスとサイモンが気持ち良い一曲目"Mancala"から、最後のIndian Summer迄の50分は、ものすごく短く感じましたとさ(ファンサービス?のDave Brubeckの、"Blue Rondo A La Turk"(Time Out)は、そうか、なる程、セスっぽいですね)。
ザ・キング・イズ・ゴーン
このCDはマーカスにとって初のリーダーアルバムではないが、マーカスワールドを具現した金字塔であると思う。現在もライブツアーで必ずプレイする1曲目、パンサーに始まり続々と都会的・叙情的でパーカッシブなセンスが光る。このCDの英文タイトルにもなっている4曲目のサンドントライはメロディアスな指弾きに始まり、なんともセクシーなグルーブのスラップのフレーズは鳥肌もの(イチオシ)。他、クラッシックの雰囲気も感じるフレットレスでの激早パッセージも、最近のマーカスのプレイにはないので一聴の価値有り。音質も暖かくキレがあり、マーカス最高の1枚だと思う。