バカ姉弟(5) (KCデラックス)
読手の想像力を超えている作品ですので、何も評することはありません。
読経するように、ただ無心で読んでください。
あえて、凡庸な評をするのであれば、当作品はある種の禅漫画とでも言えましょうか。
けしてほのぼの漫画ではけしてありませんので悪しからず。
安達哲氏は本作で持って、あっちへ突き抜けてしまいましたので、次回作があるのかどうか、
それが心配です。
次回作あるとすれば、きっと衆生救済の物語ですね。
さくらの唄(下) (講談社漫画文庫)
ものスゴく面白かったです。上巻はわりとゆったりと進むんですが、それまでの展開が前ふりと思えるほどの下巻の勢い!ジェットコースター的というか、ダウンヒル的な急転直下。ビビりました。青春のほとばしりを感じますね。お勧めですが、エロが苦手な人は注意。
「君は忘れないだろう。絶望と欲望のさくらの唄を」by滝本竜彦さん
さくらの唄(上) (講談社漫画文庫)
上巻は悩み多きリアル青春物語、
下巻は当時年齢規制が入った衝撃展開です。
「キラキラ」で見せた憧れの夢物語のような、甘い青春ではなく
リアルで鬱屈した青春群像が描かれています。
描写があまりにリアルすぎて、「これは俺か」と当時感じていました。
実際の青春ってそんな美しくも楽しくもない、やりきれないものだと
思います。でも打算ではない熱は確かに皆燃やしているのです。
絶対に綺麗な話ではないのですが、未完成な美しい魂があります。
共感できる高校生以上の年齢の方にオススメです。
安達哲は飛びぬけて女性と人間の機微を描くのがうまい人だと思います。
ただ典型的なアーティスト型というか、寡作なのが残念です。
入手困難かと思いますが、「キラキラ」も相当面白いですよ。