ローマの休日 (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)
1960年代の水野英子先生の作品で、読みたくても本を入手する事がかなり難しかった「ローマの休日」の復刻版がやっと発行され、喜んだファンの方も多かったと思われます。
この作品は1960年代に2回発行されていますが、それ以来43年ぶりの発行です。 初出は、りぼん 1963年9月号 別冊付録 りぼんカラーシリーズ。 再録は、別冊りぼん 1966年春の号 です。
ですが、この2回の作品は、同じではありません。 初出の、りぼんカラーシリーズ の最後の6ページ分が、 別冊りぼん では描き直されて8ページ分となり、本編が2ページ増えています。 今回発行されたこの復刻版は、この2ページ増えた 別冊りぼん版 が収録されています。 2ページ増えた分、初出より表現が少し変わっています。
作品名タイトル「ローマの休日」の扉絵は、初出の りぼんカラーシリーズ では、この復刻版における10〜11ページの1色の左右見開きのみで、冊子の表紙は水野先生の絵ではなく写真で、 別冊りぼん では、本編最初に水野先生のカラーの扉絵が加わっており、 この復刻版では、その絵が本の表紙となっており、1色で最初の扉絵にもなっています。
復刻版の帯の「46年ぶり」というのは、初出からの年数の「決めのフレーズ」だからいいとしても、別冊りぼん版 を収録しているので、正確には「43年ぶり」だなあ、とか、復刻版が発行される時はセリフが変更されたりする事がありますが、別冊りぼん、復刻版、それぞれナレーションも含め変更されている部分を見つけたり、この復刻版の8〜9ページの絵も、りぼんカラーシリーズ と比べて描き直されているとか、色々興味深い発見がありますし、本編1ページ目の英語のスペルが少し気になった人もいるとは思いますが、復刻が待たれていた「ローマの休日」は、もし著作権関連が無ければ、当然、ずっと以前に再発刊されていたはずですので、やっと読める喜びは大きいと思います。 この復刻版は、本の装丁も魅力的です。
トキワ荘実録―手塚治虫と漫画家たちの青春 (小学館文庫)
トキワ荘は、手塚治虫が住み、彼を慕って漫画家の卵たちが集まってきた伝説的なアパートである。その集まってきた漫画家たちが凄い顔ぶれで、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄などがいる。当然、伝説的なエピソードが満載で面白い。著者は、当時出版社にいて後の巨匠達を暖かくまた冷静にみつめていた人である。それにしても何故、これだけの才能が一堂に会したのか?運命と言わざるを得ないか。彼らは現代文化の創造者たちであり、今の日本の一面をつくった人たちといえる。彼らの若かりし頃の楽しく、ほろ苦いエピソードがとてもいい。