国境なき医師団:貫戸朋子―別冊課外授業ようこそ先輩
この本の中ではディベートを行っているのは子供達です。けれども、そこから「人間(日本人?)の本音と理想」を読み取ることができます。
誰でも「困っている人を助けるのはよいこと」というのはわかっています。しかし、内戦や伝染病がはびこる地域に実際自分が行くとなるとそれはまた別問題。今の若い日本人にとって「戦争」なんてどこか遠い国の出来事でしかない現状の中で、様々な課題を与えられてディベートする様子はとても興味深いです。
また、”時々はちゃんと怒らないとなあなあになって世の中がきれいにならない”、”自分が選び、自分で考え、自分がやりたいと思ったことを他の人がたとえわかってくれなくてもやる”といったような今の日本人には少なくなってしまった彼女の信念もとても参考になります。 難しい本ではないので、是非一度読んでみてください。
国境なき医師が行く (岩波ジュニア新書)
「言葉がわからない」「薬がわからない」など意に介さない。国際医療ボランティア「国境なき医師団」のミッションに参加した外科医師が自らの体験を綴ったもの。
赴任したアフリカ・リベリアで見たものは、紛争や貧困の中で充分な医療を受けられない。そのため命を落とすものが多い。それを少しでも救おうとする献身の精神があってのことである。劣悪な環境の下で通常では考えられないような困難に立ち向かった壮絶な医療活動の記録である。
著者は国境なき医師団日本支部副会長。リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、スリランカで派遣医師としてミッションに参加。リベリアでは緊急医療に従事。「心の国境」を取り払い、献身的に博愛精神で病める者を等しく救済する。
安定した外科医長の現職を辞して、人類愛に燃えた医者としての本然の姿に立ち返ることは何よりも尊い。人道的支援に奔走。 現場体験を具体的に記述し、訴えるものがある。命を救われた子どもたちの笑顔が素敵。現在50歳。
世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団
国際協力、国境なき医師団、命の短い国
並んでいる言葉だけだと、難しく、悲惨で、悲しい本のように思うかもしれません。
しかし、内容はわかりやすく、面白く、多くの知識を得ることができます。
ただの「かわいそうな話」ではないのが、この本の一番の良いところだと思います。
平均寿命が最も短い国「シエラレオネ」で、
最低レベルと言われる医療事情を改善すべく、奔走する日本人医師山本氏と、
山本氏の所属する国境なき医師段の活動内容が詳しく紹介されています。
山本氏の「対等の立場に立って」というモットーが生み出す、
温かく血の通った一冊です。