ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック
細野晴臣プロデュースによるアルバム「ビデオ・ゲーム・ミュージック」、12インチシングル「スーパーゼビウス」の2枚に比べると、このアルバムは比較的マイナーで、それゆえにリイシューの機会をことごとく逃してきたというか、黙殺されてきたわけですが、GMOレーベルのリイシュー大会にあわせてその源流となるべき3枚のうちに数えられ復刻されたことは実に喜ばしいことでした。
マイナーなのは「細野晴臣」「YENレーベル」といった冠がないことと、収録されているタイトルが「ドルアーガの塔」を除くと若干マイナーであることが主な原因だと思いますが、それはこのアルバムの内容の素晴らしさを考えると不当極まりない評価だと言えます。
なぜならば、このアルバムはある種のエキゾチシズムの対象としてゲームミュージックを捉えた「V.G.G.」、細野氏の芸風の中に素材として取り込んだ「スーパーゼビウス」と違い「電子音楽としてゲームの音源の音で何ができるのか」というポジティブな未来志向に裏打ちされており、それは取りも直さず、このアルバムから20余年を経た現在にまで至るゲームミュージックの有り様そのものを明快に提示したものであるからです。
B面に収録された楽曲群は、1曲を除きゲームミュージックのアレンジではありません。当時のナムコのサウンドスタッフ(大野木宣之氏、小沢純子氏)と、上野耕路氏、藤井丈司氏、国本佳宏氏、飯尾芳史氏の手によるコラボレーション曲集です。後に「META MAGIC GAME」が「ケルナグール」に、「MERRY GOES AROUND」が「ホッピングマッピー」に使用されますが、聴き比べてみると音符こそ同じものの全く方向性が違うことがわかります。
ナムコの使用していたC30チップの品のいい響きがシンセサイザーの音と織りなすハーモニー。
搭載音源の音色から離れて奏でられるタイトなアンサンブル。
制約と解放が渾然一体となった音楽の姿がここにはあります。それはゲームを離れて「ゲームミュージック」がどこへ行くのかを探す旅路のようでもあります。
ゲームの音源はこのあとFM音源の時代を迎え、PCM音源へと移り、音質そのものはいわゆる普通の電子楽器と何ら変わらないものになっていきますが、その途上では電子音楽であることへのコンプレックスとさえ思えるような迷走を見せた時期もありました。現在では、過去「制約」とされることの多かった音源チップの音も選択の範疇に入り、音楽表現としてますます広がりをみせています。
そんな自由さが作る現在の音楽と、驚くほどにこのアルバムのB面は似た雰囲気を持っています。それはさながらオーパーツのように今では思えるかも知れません。
僕は本当に夢に見るほどこのアルバムのCD化を望んでいたので、復刻なったときは快哉を叫んだものです。
結局発売から10年を経過した今ではプレミア盤の中に名を連ねることになってしまったわけですが、繰り返し多くの人に聴かれるに値する名盤なので、適価で手に入れられるようになってほしいと切に願って止みません。
ファミコンミニ ディグダグ
ナムコの第一期黄金期ともいえる82年に発表された戦略的穴掘りコミカルアクション『ディグダグ』のファミコン化…のファミコンミニ化。
ファミコン版もファミコン初期の85年に発売され、単純でわかりやすいルールとかわいらしいキャラクタ、軽快な音楽といいとこぞろいの名移植です。
敵にモリを打ち込み空気を送り込み破裂させる、という、(よく考えると実は残酷だが)オリジナリティ溢れる攻撃と、岩を落として一気に潰すというハイリスク、ハイリターンの攻撃を使い分け、ファイガーとプーカをやっつけます。
それにしても、プーカのキャラクターデザインのセンスは素晴らしいです。
最後の1匹になると逃げ出すのも、人間味(?)があってかわいいです。
序盤は誰でも楽しめる難易度ですが、ステージが進むにつれ、すぐに「目変化」で敵が接近してくるようになり、ゲーマーでも手に汗握るスリリングな展開になってきます。
ちょっとの時間にちょっと1プレイ、というのにもってこいの作品です。
ファミソン8BIT☆アイドルマスター04 [菊地真/萩原雪歩]
今回は、「ドラマ・ミュージカル」とでも言うべき、素晴らしい出来です。
雪歩と真が、いつもの漫才のような、微笑ましいコメディーを演じます。
二人の会話を楽しんでたら、いつのまにか歌いだして、
歌がセリフに、セリフが歌に。
歌の最中にも、バンバンとセリフのやり取りがあり、
そのセリフがリズムに乗るから、本当のミュージカルのようです。
「ゼビウス・ゼビウス」と雪歩が、話しながら歌う「First Stage」が面白い。
全編が長ーいドラマCDで、歌はその中に、キレイにとけこんでいます。
シナリオライターと、2人の演技に拍手を贈りたい。
ドッツ ディグダグ
この商品が予告商品とを観たときに、あっと思わされた。これこそデジタルを触感出来るではないかと。既存のゲームグッズはプリント媒体であったり、デザイナーの手によるアレンジ商品である場合が多かったが、これはドット状のピンを穴に嵌め込む事によって、自分なりのアレンジも可能で、想像力を豊かにさせる。一度嵌めたピンは取れ難いものの、飾って置いて飽きたら他のキャラにして楽しむといった事が容易に出来る。
もちろん、説明書も付属しているので、キャラの作例等をみてそのまま作る事も出来る。
中身は1キャラ分を嵌める事が出来るマス目の板が2枚入っていて、私はこの商品を2個買ったので併せて4枚あるのだが、2枚横並びに嵌めるともう一組と背中合わせに組む事も可能なのは親切な設計だ。(一組だけだと若干外れやすい感じもあるのでこれで安定した置物になる。
これから買う人にお奨めするのはドットピンは多めに入っているので、色の違うピン同士を買うほうが、より楽しめると思う。(マリオ・パックマン等)
また、ピンが非常に小さいため小さい子供のいる家庭では注意した方が良いだろう。
そういう注意点を覗けば、子供の玩具としてもお奨めできる。