パニック・エレベーター [DVD]
サイコキラーと壊れたエレベーターの中で閉じ込められてしまうというお話。
筋書きや人物描写は浅くて不満な部分も多いですが、サイコキラーの描写はなかなかにエグくて良かったです。
もっと常人では理解し得ないサイコキラーなりの衝動や理由付けを盛り込んでくれると良かったです。
サイコキラーの気持ち悪さが好きな人は結構楽しめるのではないでしょうか。
アライブ-生還者- [DVD]
雪山に墜落した飛行機から、二ヵ月後に奇跡の生還を果たした
30年ほど前に起きた、実在の出来事をもとにしたドキュメンタリー映画です。
実際の遭難者のインタビューと、事のあらましを断片的に描いた再現映像
この二つが絡み合いながら物語りは進みます。
遭難者(生還者と言ったほうがいいのかもしれませんが)
彼らのが語っている場所は、おそらく遭難現場です。
遭難現場を訪れ、そこで、生還者同士、あるいは生還者の子供たち、
さまざまな相手へ語っている姿を、カメラが収めています。
ただあくまでドキュメンタリーですので、映画的な演出は皆無で、
事実のみが、時系列に沿って淡々と語られていきます。
出来事自体は知っていましたし、雪山でなにがあったのかも知っていました。
ですがそのことについて、実際の生存者が自分の口で語るのを聞いたとき、
そのあまりの重さに、釘付けとなりました。
文字で見ただけの知識と、生存者から語られる言葉とでは、
重みがあまりにも違いすぎます。
一番印象に残った部分を言葉にして、タイトルを書こうと思いました。
しかし、言葉がありません。
面白いとか、すばらしいとか、感動的であるとか、衝撃的であるとか、
そのような形容詞を用いる事自体が、失礼であると感じました。
とにかく見たままを受け入れ、そしておのおのが感じ取って欲しい。
そうとしか、書けません。
生存者や救助者たちの語る言葉の端々から垣間見える表情、
特にあの目、彼らの眼差しが心に焼きついて離れません。
目は口ほどにものを言うといいますが、
まさにその言葉とおりのものが、この映画にはあります。
かれらは多くのことを言葉で語っていますが、
語りきれないさまざまな感情や思いが、あの眼差しに現れていたように思えます。
ラストで、生存者と遺族のご子息が遭難現場で語り合うシーンがあるのですが、
その場での遺族の言葉には、涙がでました。
事件の当事者でなくとも、胸を突く言葉です。
そして、エンドロールへとブラックアウトする直前、まさにラストですが、
生存者のひとりが、30年前の遭難現場で、そこの雪を食みながら、
とつとつとこれまでの思いを吐露します。
その姿、その言葉が、見終わった後もずっと胸に残っています。
静かな余韻が残る、良質のドキュメンタリーだと思います。
中国共産党 支配者たちの秘密の世界
尖閣諸島問題等々ありますが、どうして中国共産党はあんなに上から目線なのか、その理由がよく分かります。上海や北京が経済発展著しい都市、なんて幻想も吹っ飛びます。中国企業の海外進出も激しい昨今、その裏に隠された中国の根本的問題も見えてきます。こういってはなんですが、とっても中国が嫌いになれますよ
定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)
JR線の事故の時,週刊誌の読書欄で鉄道関係の書籍として「名著」と紹介されていたので,手に取りました.
毎日何気なく利用している鉄道でしたが,これが"当たり前"であることに,どれほど多くの鉄道人の努力があったか/あるかが,実によくわかりました.
「ただ、文章書くのがあまり得意ではなさそうです。
同じ文言の不必要な繰り返し、抽象的なものの言い方、例示の具体性の無さ…」と評しておいでの方がいらっしゃいましたが,私は全く逆の感想を持ちました.
入念な取材,論理的で達意の文章,的確な用語,豊富な具体例.
理系の本を読み慣れていない人でも,問題なく読みこなせるでしょう.
鉄道の専門家が,後書きで「鉄道用語の使い方に1つの間違いもない」と賞賛しています.
複数の賞を受賞しているのが深くうなずける良書です.
「こういう無理をしているから,あの事故があったんだ」という感想をお持ちの方がいらっしゃいます.私は,そうかもしれないと思いつつ,最近の大事故の多発は,"社会が豊かになってタガが緩んできたのかもしれない"(もう,今の日本人は,昔の日本人がしていたような努力はできない?)という思いもちらと頭をかすめました.著者は,現状の鉄道に対する賛美だけではなく,最終章で,今の鉄道の問題点と鉄道の今後にも触れています.