HERO 特別編 [DVD]
HEROの劇場版を先に観た人は、なぜ花岡代議士がアタマからクロースアップされるのか、綾瀬はるかと中井貴一がチョイ役で出てくるのか、などいくつか分からない点があった。それが本ドラマを観ることで、全てが解決する。ゆえに、これは「劇場版・序章」の意味合いで製作されたのだろう。山口県を舞台に(とはいえ、ロケはほとんど首都圏)地元の大手企業の専務が殺人事件で起訴される、というくだりはとても面白い。またそれが花岡代議士の陰謀に繋がるラストも「続きは映画館で」的な終わり方で、上手い締め方だった。オリジナルキャストも最後に少しだけ出てくるが、今回の主役は山口での出来事だ。中井貴一や堤真一、塩見三省などの役者が揃えば、これはもう活動写真の色彩を帯びる。綾瀬はるか演じる新米検事の成長度合がうまく表現されていなかったことを除けば、脚本もよかった。田中要次の「ないよ」というセリフも珍しかったし(笑)。欲を言えば、せっかく山口の海と空を撮りに行っているのだから、TV的フレームに留まらない「絵」も欲しかったなあ。でもまあ、総合的には星4つ。
NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲 第1部 DVD BOX
原作を知りませんし、12月13日現在二話までしか観ていません。
ですが文句なしに☆5(本当は☆15つけたい!!)の作品です!
明治維新と同じくして松山に生まれた後の海軍中将秋山真之と俳人正岡子規。
真之の兄、陸軍大将の好古、子規の妹の律も交えての一生記。
そして彼らの生涯にあわせて明治という時代が流れて行きます。
出来事の一つ一つが世界とつながりがあり、その中で日本という国が
いかにあるべきかという事を無意識下に自分の人生の目的を追求しながら探っていく。
自分は状況に流されるので無く、いかに人生を切り取っていくのか!!理想を作っていくのか!!
こんな歴史ドラマは近年ではありませんでした!!
日本人の義理人情と世界観が欧米の文化に触れ合った時の衝撃と融合!!
これからの国だった“日本”に生きる人々の気概と情熱!!
上手く言えないのですが、
日本という国が個人の背負う宿命だった時代を良くあらわしています!!
そしてテーマ曲が良いのですね・・・いつ聴いても涙がでます!!
理想を持つことが侮辱されなかった時代!!
日本人であることを胸を張って生きることが出来た時代!!
若い方にも是非観てください!!いや!!もう本当に凄い!!
新参者 オリジナル・サウンドトラック
TBS系列ドラマ「新参者」を見ていました。
無論内容も面白かったですが、それを引き立てているのが、菅野氏のサントラでした。
キイナなどのサントラも担当していて、以前から気になっている人物ではありましたが、
以前のものは、どうにも購入までは漕ぎ着けませんでした。
ですが、今回のサントラは我慢出来ずに買ってしまいました。
ドラマの中では、出演者の声の後ろで、BGMと言う形でかかっているので少し分りづらいかもしれませんが、
サントラを単体で聞くと、その良さがはっきり理解できると思います。
勿論ですが、ちょっとお茶らけた感じのトイレでのシーンのあの曲も収録されているし、
ドラマ内でかかっていたBGMは網羅されています。
曲の長さも2分半〜4分強程度はあるので、短すぎると感じることも、長すぎると感じることもなく、
ちょうど良く聞けると思います。
迷っているなら買ってみることをお勧めします。
NHK スペシャルドラマ 坂の上の雲 第2部 DVD-BOX
年末恒例のNHKスペシャル・ドラマの第2部DVDボックスセットです。
このドラマを去年初めて見た時の感動は今でも鮮明に覚えています。
第1部は3人の主人公の青年期の躍動感や昂揚感を明治の時代の空気と共に
鮮やかに写し取って見せてくれました。
本作:第2部は日本が初めて直面する世界史的な大きな時代のうねりの中で
安易に翻弄される事なく、主人公たちはそれぞれの立場で迷いそして
悩み多き日々をそれでも懸命に送ります。殊に軍においての将星たちは
ベテランの俳優陣が演じ、窮地に追い込まれる日本の決断と覚悟を
時に熱く、時に冷静に披瀝します。山本権兵衛役の石坂浩二氏、
東郷元帥役の渡哲也氏・・この両氏の演技は実に見事なもので、
堂々たる中にも行間やその奥行きを感じさせて余りあるものです。
三国干渉の後、ひたひたと中国大陸を南下する強国ロシア。
帝国主義が跋扈するアジアで唯一独立を勝ち得た日本はロシアに宣戦し
この絶望的ともいえる戦に、上下を問わず全知全能を振り絞って立ち向かいます。
《一将功成りて万骨枯る》・・・戦場での勝利は夥しい英霊の尊い犠牲によって
実は得られるものです。この現実を秋山真之は作戦に活かそうと苦慮します。
もうひとつ、香川照之氏演じる正岡子規が本作で遂に幽明境を異にします。
苦しい病床で子規は生への執念を句作に昇華させるわけですが・・・・
これはもう香川氏の圧巻の演技力に拠るところ大です。第1部でもそうでしたが
正岡子規の妄執と無念と人間の業を演技として表現できるのはどうしても、
香川氏をおいて他にはありえないですね。全ての感情を中断するかのような
突然で不思議な子規の死に様。忘れることの出来ないシーンの連続でした。
ともすれば、明治の大いなる史劇に終始しがちになるところを子規の描写は
心情や人の優しさといった「ミクロ」な点景を効果的に演出しているあたり、
このドラマに上質な厚みを持たせています。
来年はいよいよ「日本海海戦」「旅順203高地の功防」と本作品中最大の
クライマックスがやって来ます。
今からすでに楽しみ・・・・です。