「よど号」事件122時間の真実
当時、私はまだ生まれていませんでしたが事件の様子が手に取るように非常によく取材されています。目をひいたのが、韓国政府の対応でした。韓国では、よど号事件の1年前にハイジャック犯が同じ様に北に飛び、機体はおろか乗員、乗客共にまだ帰っていないと言う事実があるので、最初はキンポ空港を平壌と騙し着陸させます。その後は、韓国政府は何としてでも北に飛ばせないように努力をします。けれども当時日本は北がどれだけ恐ろしい国かと言う意識が希薄で、早く北に飛びたがる犯人らを引きとめ、乗客を拘束している時間を延ばすことに日本の世論は韓国政府は何をしているのか!?と怒りの声を飛ばします。韓国政府の対応は素晴らしい物でしたが、この本を読むと日本人が当時北朝鮮については全く無知だっと言う事がよくわかります。
宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作 (新潮文庫)
確か。平壌宣言前、文庫化してすぐ読んだ。純粋に面白い。
よくもこれだけ取材ができたなと思う。よど号メンバ自身ともパイプの
ある著者にしか書き得ないものではと思う。
実際、この本の出版後かなりしてから、よど号メンバーによる欧州での有本
惠子さん拉致関与報道がTVでおおきく取り上げられる。
奇をてらったやりかたは一切ない。にもかかわらず、衝撃をあたえるとすれ
ば、それは事実の凄さだ。まったく数奇な運命である。
かの国はホントどうしようもないな。