修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
第一部の悪役は仲谷昇、岡田英次というダンディ系に深作欣二夫人の中原早苗を混ぜた、まあどちらかといえば知性系。それに対して、今回は南原宏治と山本麟一という最凶コンビを岸田森の秘密警察長官が飼い犬にするという、この上ない悪意の世界が展開します。このトリオ、後先考えないで伊丹十三の思想家にペスト菌を注射したり、それが蔓延すると、今度はペストの温床になったスラム街を焼き払ったりと、まあやりたい放題。これだけヒドイメンバーを部下に抱えると、普段は東映ヤクザ映画で絶対に自己に疑問を持たないボスキャラを演じる安部徹ですらさすがに部下の悪逆非道に恐れ慄いて「悪いことはやめようよ」というのが面白い。
この悪役軍団の前ではさすがの梶芽衣子も前作ほどの存在感を示せないのがちょっと残念ですが、まるで怪獣映画並みの悪役たちの暴走ぶりは爽快感すら与えてくれます。『怨み恋歌』というよりも『怨み濃い歌』と読んだ方がしっくり来るほど、濃い俳優さんたちの無法な活躍が楽しめる、地獄絵図みたいだけど楽しい傑作です。
臆病な女神 1 (ハーレクインコミックス・キララ)
今回!!藤田先生の新作は 全2巻同時発売のヒストリカル・ロマンス(舞台は中世、19世紀…時代を超えて煌めく愛)。
いゃーお世辞抜きでとても素敵なストーリーでした(笑)。映画【いつか晴れた日に】とか【プライドと偏見】が好きな私にとってはとても入りやすかったです。それとコミックス派の私としては全4話の雑誌連載時より待望だったので嬉しい限りです。
◆あまりの雪で身動きとれない所を助けてもらったヒロイン“アイアンサ・キースレイ”。助けたダンカン男爵“ロバート・アームストロング”(インドで妻と娘を亡くし、現在独り身)英国インド領から自分の城に戻ったばかりなので人手が足りず、男性ばかりの彼の城にただひとり滞在することに…。男爵ロバートは、そんな彼女の名誉を守ろうと結婚を申し込むが、実はアイアンサーには6年前、18歳の時に複数の男たちに暴行された過去があった!!癒されぬ心の傷を抱えながらも、ロバートの包み込む優しさに促され、彼との結婚を承諾するアイアンサーだったが…。
ぜひ手に取ってね(^^ゞ。