ビューティフル・マインド [DVD]
知人の精神科医が言った。
患者がそこにトラがいる、と言えばその通り想像する。
トラなんかいませんよと言うかわりに、それは恐ろしいですね、と言うべきだというのだ。
この映画では統合失調症が患者の視点で描かれており、この病気を理解する助けになる。
見えるものや聞こえることが幻だったら?愛する人さえ幻だったら?恐ろしいことだ。
しかもこの病気は決して珍しいものではないのだ。そこが最も恐ろしい。
でもこんな映画をきっかけにもっと認識が広がれば、苦しむ人たちの手助けができるかも、と思いたい。
数学の理論がわかりやすく描かれていて面白い。本当はもっと難しい話なんだろうな。
興味がわいた方は原作を読むといい。ナッシュ氏はもっと複雑で重く、現実はハードだ。でも映画のストーリーは劇的でテンポよく一気に見せる。よくできていると思う。
ラッセル・クロウ、見事です。
世界で一番美しい元素図鑑
理科や化学の教科書の裏表紙に必ず載っていた、元素の周期表。この本はその元素の周期表の一つ一つの元素にフルカラーの写真と軽妙な解説を加えたものですが、何よりも魅かれるのが写真の美しさです。
「すいへいりーべ・・・」と暗記の対象だけでしかなかった周期表が、観賞の対象に変身してくれました。
お店の本棚に置いて、今話題のレアアースってこんなものなんですねと、お客さんとの話題作りにも役立っています。味気ない元素の周期表が、
あと本書と関連して、iphoneアプリの「The Elements」も、本書の周期表が動くいて楽しむことができました。
The Ig Nobel Prizes
大真面目だが、どこかエキセントリックで、奇妙キテレツな研究に贈られるイグ・ノーベル賞であるが、研究開発のフィールドで仕事をする私は、「ノーベル賞とイグ・ノーベル賞は紙一重」との印象を受けた。どちらも、思いこみが他を抜きに出ているから難しい研究を遂行するすることができるのであって、中途半端であっては仕事が完成しない。両者の違いは恐らく学問的価値があるかないかだけであって、恐らく根本的なところでの差異は思ったより小さいと思われる。
個人的には、MRI(磁気共鳴画像法)装置のなかで被験者に性交させ、その断層写真を専門雑誌に発表した一件が相当おかしかった。5★。
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
いくつになっても好奇心でいっぱい!
ファンキーな物理学者ファインマンさん!
「やりたいこと、好きなことを徹底的にやる」
っていう姿勢を生涯貫いているのがかっこいい!
・物事は暗記ではなく、理解することによって学ぶ
・人がどう思おうと、ちっとも構わない
・驚異の心をもたない人間は、消えたろうそくも同然だ。
・とにかく何かにアッと驚き、なぜだろう?と考える心を失わないこと。
そして、いいかげんな答えでは満足せず、納得がいくまで追求する。
わからなければわからないと、正直に認めること。
下巻+「困ります、ファインマンさん」まで
一気に読めます!!
夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)
そんな世界観に、自分(読み手)の意思を簡単に委ねてしまいたい時、
手招きする。
この小説の背景に極めて近いところに行ったことがあるなら、
たまらない。
ターンテーブルから、もどることのないレコードの音、余韻に浸り、
まだ見ぬ次の異国に想いを馳せたことがある人には、とても美しい短編集かと思う。
アーウィン・ショウの描く都会的描写のみならず
ボブ・グリーンの記す牧歌的風景のみならず、
「音楽」が手招きする。
・・・サンマルコ広場、確かに今日も、数千万分の一の邂逅の傍観者。
人と人との出会いに、「音楽」が手助けするなんて、
やっぱりお洒落である。