ルネサンス時空の旅人『聖なる都アッシジ物語』 [DVD]
「ルネサンス時空の旅人」シリーズの1巻である。
タイトルは「聖なる都アッシジ物語」となっており、アッシジの町と教会を存分に紹介してくれるものと期待したが内容は少し異なる。
実際は「アッシジが育てたイタリア中世の画家ジョットーの生涯と作品」というべきであろう。そう思って見ていただければ内容は質実ともに充実している。
ただし、お値段は随分高いですね。損保ジャパンがスポンサーとなって日本テレビが制作放映したものであることを考慮するともっと入手しやすい価格設定にすべきではなかろうか。
世界を変えた奇跡の祈り―聖フランシスの祈りの法則
著者の最新刊『ザ・モーゼス・コード』は、本書の「祈り」の敷衍である。また、『光の使者』、『シフト 続・光の使者』、『愛と光の使者』を貫く平和のメッセージの集大成が本書である。従って、本書を読めば、「愛と平和」を確信したイエス・キリストの「祈り」と、「慈悲と智慧」を確信したゴータマ・ブッダの「瞑想」が本質的に同じであることが分かる。しかも、それらは宗教教義にまとめられた万人共通の「愛と平和」や「慈悲と智慧」の形に対する無条件の信仰で始めるのではなく、宗教以前の「愛と平和」や「慈悲と智慧」の本質を心から確信して始まる各自個別の実践なのである。
それだからこそ、様々な宗教という枠組みが消滅し、個々人の差異が許容され、「以心伝心」という新たなコミュニケーションが生まれるのである。
奇蹟のカンパネラ
とにかくピアノの音が好きで自ら職業にしている為、いろんな演奏家のCDを聴いたりコンサートへ足を運んでいますが、この方の音楽には心を揺さぶられる気がします。
技巧だけで言えば他にも優れた演奏者がいるかもしれない。ドラマの影響だけで盲目的に賛美するのはどうかとも思う。逆にそれだけで反発するのも勿体無い気がする。
けれどこのCDに収録されているカンパネラは聴いていると純粋に感動しました。技術面は時々不安定なところもありますが、それを上回る表現力と迫力は本当に素晴らしいと思います。
クラシック自体やリストなどの技巧派に馴染みのない方に興味を持っていただける秀作だと思います。
アシジの聖フランシスコ (平凡社ライブラリー)
アッシジの聖フランシスコって誰?という疑問を抱いたのは、こどもの頃手にしたR.ローソン(『はなのすきなうし』はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))の挿絵画家としての知られる)の『ウサギが丘』で、野ネズミ・ウィリーが「ぼくたちのお聖人さま。アッシジの聖フランシスさまだよ」と、答えたところからはじまる。ウサギの丘 (名作文学シリーズ)
その後出合った本に登場するフランシスコも動物を慈しむ聖人だった(例えばポール・ギャリコの『小さな奇蹟』スノーグース (新潮文庫))。
そうした奇蹟物語の中の彼でなく、彼が何者で、何をしたのかを単純に知りたくて、この本J.Jヨルゲンセン『アシジの聖フランシスコ』を選んだ。フランシスコの生涯を追う形をとりながら、単純な偉人伝ではなく、時代背景や現存する史料類についての綿密な考証を重ねた上での評伝であり、フランシスコの研究書としても一読の価値がある。
また、書中にしばしば引用される『小さい花』(邦訳『アシジの聖フランシスコのちいさき花』アシジの聖フランシスコの小さき花 (聖母文庫))は、クリスチャンでない日本人にとってやや説明不足なフランシスコ伝説についての理解を助けてくれるので、両者を同時に読まれることをオススメしたい。