マンガでわかる有機化学 結合と反応のふしぎから環境にやさしい化合物まで (サイエンス・アイ新書)
マンガなので読みやすい。
図を活用していてわかりやすい。
いい本だと思う。
ただ、個人的に作画が気に入らない。ピンクの髪の女の子がかわいくない。
それが星4つにした理由です。
「大発見」の思考法 (文春新書)
2008年度のノーベル物理学賞を受賞した益川博士と、生命科学の分野ではノーベル賞間違いなしといわれている山中博士の超ビッグ対談。これがほんとうに面白い。
科学の最先端分野でほんとうにスゴイことをやっている人たちが、胸襟(きょうきん)を開いてホンネで語り合う姿はすがすがしい。そしてまた、このような頭脳を持ち合わせない一般ピープルである私のような読者にとっても、得るところはきわめて多い。内容の濃い対談である。
1940年生まれの益川博士の好奇心の広さと深さには、ほんとうに驚かされる。好奇心に充ち満ちた益川博士が、22年後輩にあたる1962年生まれの山中博士に次から次へと質問していくという、インタビューのような形になっているのもまた面白い。現在の生命科学が、基本的に生物物理学であることからだろうか、理論物理学者のアタマのなかの一部を見ることができたような気がする。
益川博士がアルキメデスではないが、風呂から上がった瞬間にひらめいた話などのエピソードも興味深い。このほか発想のヒントも具体的に語られており、科学者ではなくても参考になるものが多い。
「仮説検証」という科学の基本について、いわゆる「セレンディピティ」はあくまでも考え続けたからこそ遭遇することができるということ、結果としていろんなことをやってきたフラフラ病(?)、「いっけん無駄なものに豊かなものが隠されている」という教訓などなど。
とくに若い人が読めば、科学の道を志していなくても、「人生というのは失敗してもいいんだ、挫折してもいいんだよ」というメッセージが伝わるものと思う。
知的探求の喜びと苦しみ、研究者として生きざまなど、研究生活もまたその他の職業と同じく、きわめて人間的なものなのだと気づかせてくれる元気のでる対談本である。ぜひ多くの人に薦めたい一冊だ。