ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 [DVD]
楽器の音もよく鳴っていて、きれいな仕上がりになっている。
デビューCDのような粗さ(雑な感じ)もなく、指揮者の力もあるのか、とても美しい演奏だ。難曲をそつなく弾きこなしている。
ただ、あまりにも優等生の模範演技のようで、面白みがない。
これからは、独自の色を作っていってほしい。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1~4番
映画[Shine]で、第三番が狂気への入り口のような象徴的な使われ方をしたのが印象的で、ちょっと怖くて聴けないでいた。ずっと気になっていたので(私にとって)おなじみのアシュケナージで聴いてみたところ、予想を上まる劇的な展開と耽美的なメロディーに、ラフマニノフとアシュケナージの才能を改めて見直すことになった。交響曲第一番で酷評を受け、チェロ奏者でもある精神科医に助けられながら、この協奏曲第二番を書き上げたこと等、解説も興味深い。第二番冒頭の鐘の響きはやはり、手の大きなピアニストによる完璧な和音で聴いてみたい。
後世に名を残す作曲家やピアニストは一日中、それどころか夢の中でさえ音符が頭の中に渦巻いていて、精神を病んでしまうことが少なくないと聞いたことがある。音楽家に限らず天才と呼ばれる人は皆、身を削って作品を残してきたのだということを思い知らされる重みのある四つの協奏曲だった。
グレン・グールド/ロシアの旅 [DVD]
予想してた通りグールドの映像や演奏が少なかったです。
しかし、実は期待していなかっただけに、内容は予想を超えてなかなか良いものでした。
かなり興味深い内容が多く、リヒテルとも会っていた話やグールド自身が指揮をしている映像がほんのちょっとだけでしたがあって、楽しく見る事が出来ました。
そして、どうやらこの作品は、2003年第21回モントリオール国際芸術映画祭でグランプリを受賞しているようです。
それにしても若い頃のグールドは、見た目にもかなりかっこいいですね。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 [DVD]
アシュケナージのピアニストとしての映像は、これが初出ではないかと思います。指揮者としての映像は、オクタヴィア・レコードから出ていますし、NHKから放映されてもいます。1974年の春、彼が36歳の時、チャイコフスキー・国際コンクール優勝からほぼ10年後に録画されたものです。BBCが放送用に、ベートーベン・ピアノ協奏曲全曲演奏会を企画し、ロンドン・フェスティバルホールで行われた演奏会の全録画です。
あの鮮烈で、珠玉のような音色がつぐみ出される様子を、目の当たりに出来る魅力的なDVDです。当時のアシュケナージの眼光鋭い顔の表情に、今の温顔と比べ、一驚します。強い打鍵の際の逞しさ、歌うようなパッセージの際の自分が奏でる音の粒に魅入るような様子、その緊張感のルツボの中に、見るものを引き込んでいきます。