抗がん剤・放射線治療と食事のくふう―症状で選ぶ! がん患者さんと家族のための (がんよろず相談Q&Aシリーズ)
手術が終わり抗がん剤投与を予定しています。病院で様々な副作用の説明を受け不安が募るばかりでしたが、この本を手にして驚きました。症状によっての対処法がわかりやすく書かれていてアレンジもしやすそうです。家族と一緒に読む事により皆で病気に立ち向かう意識が芽生え始め不安が和らぐ気がしてきました。体調が安定している時期にこの本を手にして良かったです。
内部被曝の脅威 ちくま新書(541)
2011年4月24日 午後2時40分 クスノキの若葉がまぶしい広島市ハノーバー庭園。空にはミサゴとハヤブサ。背筋はピンとしているが、杖を持った足元は危なっかしい老人がステージに上がりマイクの前へ。一声発するとあたりの空間が一変する。95歳とは思えな抑制のきいたよく通る声で、よどみなく話し始める。それがこの本の著者の一人肥田舜太郎氏でした。
「その声を聞くだけで世界が変わる」経験をしました。
ナノハナとミツバツツジ。乳母車と楽隊付のピースウォークの後、早速書店へ。
「原子力爆弾の被害は、時間的にも空間的にもに限定される。」という米軍の掲げる大前提(これは定理なので証明の必要はない)。この前提を認めるとありえない内部被爆の問題。その「ありえない問題」に取り組んできた一人の医師の、経験から得られた確信について書かれた本です。
広島の爆心地から始まる医師としての経験は、「内部被爆は問題ではない」とする通説を否定します。しかし、著者の主張には科学的根拠がないとして無視されてきました。確かに個別の事例は列挙できても、それだけでは科学的な因果関係を証明できない。現代の医学では内部被爆と発ガンの因果関係を証明出来ないのです!! そのもどかしさが本書から伝わってきます。
2011年4月26日、今日でチェルノブイリ事故から25年。 今日予定されているピースウォークには、発熱のため参加できませんでした。
鎌仲ひとみさんについてはatプラス 06「我は如何にして活動家となりし乎」参照「ミツバチの羽音と地球の回転」な人です。
朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
1999年の東海村臨海事故被曝患者と医療チームの壮絶・凄絶な83日間の記録。
被爆治療の限界。延命治療はどこまで必要なのか。被爆した大内さんが意識がある内に放った言葉「おれはモルモットじゃない」。被爆直後の様子から、意識を失った後、加速度的に悪化する皮膚の状態・内蔵の状態。
医療チームスタッフのインタビューから、延命治療の是非という重すぎる問題の前に懊悩する家族・スタッフ。致死量を大きく超える放射線を浴び、「医学的」に生存の見込みはほとんどない患者なのに延命治療をする意味は?変わり果てた大内さんの姿を前にして心が揺らぐ。
放射線という現代医学の知識を遥かに超えた悪魔を前にあがき苦しむ様には一抹の虚しさを感じつつ、家族とスタッフの気持ちに通底する、大内さんの奇跡の回復にかけた愛に息が詰まる思いで読了しました。本書のもとになったNHKスペシャルを観ていないので是非再放送を望みます。