STUDIO ROMANTIC スタジオ・ロマンチスト
鈴木さえ子さんの音は、本当に特別な響きを持っています。というのは、スタジオに篭もりきりで作られるタイプの音楽なのに、常に聴いた印象が等身大のスタイルであるからです。このアルバムも、アンディ・パートリッジや鈴木慶一氏など音の職人とも言える方々と制作しているにも関わらず、非常に可愛らしいメルヘンチックなサウンドでいっぱいです。そうやって聴いた印象はとても外に向かって開かれているのに、実際はとても緻密で繊細な音作りをしているところが彼女の最も凄いところでしょう。
なおM2の「ユー・アー・マイ・スペシャル」は彼女のポップソングの中でも指折りの名曲です。ロマンチックなエレポップ好きの方は、ぜひ聴いてみてください。
Black Sea [2001 Reissue]
ギャッギャッというこのカッティングのかっこよさとゲートエコーのドラム、考えられたポップなベース、… 働き者の英国人を彷彿とさせる実に生きのいいXTCが聞ける。そして病みつきになるメロディ、その中毒性はスカイラーキング以降よりも強い。いやむしろ類人猿と人間のように似て非なるバンドに進化していく経過としても、価値は高い。頭の三曲は圧巻。
White Music
XTCのデビュー作。その後言われつづけることになる「ひねくれポップ」という形容はスタート時からずっとそう。もっとも「ひねくれ」だからといって難解ではない。というよりもこれほど難解でないロックアルバムも珍しい。マニアの間ではいまだに最高傑作として推されることも多い。あらゆるロックアルバムの中でもっともオススメといっても過言ではない。