マイノリティ・リポート 特別編 [DVD]
アクション色込みのSFですが、スピルバーグの独特の信条のようなものが垣間見られ、そこから導き出されるやや地味ともいえる結論は、
個人的にはとても共感できました。
このエンディングは意見が分かれるところだと思いますがあなたはどうお感じになるでしょうか?
多少、安易な話の展開はあり星ひとつ分評価は下がるものの、
長い割に退屈さを感じず、あっという間に話の中に引き込まれました。
小難しい賢しげな話ではなく、動きのある手に汗握る展開で、
しかもエンディングといい、スピルバーグの未来観といい、
考えさせられる点も多々あり、手軽に哲学にも浸れて一石二鳥で得したな、という感想を持ちました。
マイノリティ・リポート [Blu-ray]
フィリップ・K・ディック原作の名短編SFをスピルバーグとトム・クルーズが時間を掛けて練り直して映像化した珠玉のSF娯楽作品。公開当時作品への賛否を巡って様々な意見が交わされていた記憶があるが、ブレードランナーともまた異なる近未来世界の描き方は映像的にリアルであり、個人的には好きなSF作品である。
ストーリーは今更説明することもないだろう。
如何にもドリームワークス的な安心設計の物語に仕上がっている。
どなたかのレヴューでもあったが、確かに物語的矛盾が山積している。それもあり公開当時の評価も割れていたと思う。
何故殺人予測だけを抽出するのかとか、プリコグの人権や将来的な存続方法とか、強制的にジャンキーと化しているプリコグの予言を信頼する理由はあるのかとか、中核となるトリックが実にパラドキシカルな方法であるため確実性に欠くとか…諸々。
だが、現実味を追求したサスペンスドラマというわけではなく、あくまでも空想で未だ観ぬ近未来を紡いだSF作品である。この映画の世界観と作品全体を貫徹しているリズムや息遣いを率直に楽しんでもバチは当たるまい。
キャスティングは見事としか言いようが無い。光と影の人物である局長ラマー役に多彩な役を丁寧にこなすマックス・フォン・シドー、汚れた役であるソロモン医師に舞台演出家としても活躍する名優ピーター・ストーメア(最近はアブルッチとして有名に)、妻役のキャスリン・モリスも理性的な演技で要所を締める。童顔でやや軽薄な演技のためいつも当たり役に恵まれないコリン・ファレルでさえこの作品では的確なウィットワーという役柄を得ている。
映像コーデックはMPEG4 AVC。確かにDVDと比較してみると段違いの鮮鋭度であるが、既に21世紀に入ってからの映画であり、HD化にここまで時間を費やしたことを考えると、私の期待したレベルには達していない。リファレンスディスクにはほど遠い。ただし、もともと本作はスピルバーグが意識して鮮明な映像にしなかったらしく、それを考慮して敢えてこの程度で抑えたのかもしれない。5段階で3.5程度。
音声コーデックはdts-HDMA 5.1ch。抑揚のある音声が作品の世界を拡げている(日本語はdts 5.1ch。やはりやや音の凹凸に欠ける印象は否めない)。ノイズも少なく、5段階で4.5程度。
これ以上の画質・音質は現段階では期待出来ないだろうから、本作が好きな方はDVDからの買換えを検討しても良いだろう。DVDとでは比較にならない程に画質音質は向上しているので、今回が初購入の場合もBDにすべきだろう。今回BDで初めて収録されるスピルバーグの語りも興味深い内容であった。
ベスト・シネマ・クラシック100
disc1〜2は有名映画で使われたクラシック曲とクラシックではないスター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リング、タイタニックなどのテーマも混ぜられています。ジョン・ウィリアムズやモリコーネなどの映画音楽もクラシックの名曲に引けを取らない傑作であるとあらためて気付かされます。
disc3からは映画のテーマ曲は無くなってクラシック曲ばかりになりますが、disc3では主にモーツァルトの曲が収録されています。disc1〜5にモーツァルトの有名曲はだいたい収録されています。
disc4はピアノ曲が集められていてナインマンのピアノ・レッスンの曲で幕開けです。このdisc4が一番のお気に入りです。
disc5は映画の中で使われたオペラ曲が集められています。
disc6はバッハを中心としたバロック曲がメインになります。
discによってカテゴリー分けがされているので、ピアノが気に入ればまた別のピアノのCDに行けばいいし、自分の好みのジャンルや作曲家が見つけやすくなってます。
ほとんどの曲が一度は聞いたことのある有名曲ばかりなので、映画が好きでこれからクラシックを聴いてみようかなと思ってる人には良い入門CDだと思います。
マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)
映画化されて話題になった本で犯罪者を事前にコンピューターが予測して逮捕する、しかしコンピューター自身過ちを
犯していたというディックらしいストーリー。
ディック短編集はハヤカワから刊行されていてこれで6冊目。
この短編集は中くらいの面白さでしてやはり筆頭は「パーキーパッドの日々」だと思います。
段々ディックも短編集を著す内にネタに困った感あります。