日本沈没 第二部〈下〉 (小学館文庫)
だれもが知っている「日本沈没」。
第一部の最後で「第一部 完」とあり、作者も第二部を書くと言っていたはずだったのに、
なかなか発表されなかった。
30年以上経って、小松左京×谷甲州というタッグでの刊行。
さすが谷甲州。
小松左京の代表作を違和感を感じさせず、見事に続編を仕上げた。
ただただ、感心するばかり。
得意の(?)中央アジアを舞台のひとつに豊富な知識をもとに
緻密な描写で書きあげている。
ブームにはならなかったが、第一部の映画リメイクにあわせて、
第二部執筆の予定を忘れずによく書いてくれた。
コアなファンには、たまらない作品。読みごたえあり。
3・11の未来――日本・SF・創造力
3・11の後、テレビで執拗に流された様々な悲惨な映像、炎に沈む気仙沼市、警報に続く津波、福島原発の水蒸気爆発、これらにデジャヴュを感じたSF魂の持ち主は少なくないはず。『ゴジラ』『火の鳥・未来編』、そして、『日本沈没』『復活の日』。僕等は最悪なシチュエーションを既に知っている。もしかしたら、それを乗り越える希望の原理も既に知っているかもしれない。小松左京、日本SFを愛する人すべてに。