ぼくたちの失敗~森田童子ベストコレクション~(CCCD)
リアルタイムで森田童子のLPを買い揃えた世代ですが、ごく最近、このアルバムを編纂する際、森田童子が新曲をレコーディングしていたことを知り、あわてて購入しました。主婦業に専念しているという彼女が、どんな曲をどんな声でレコーディングをしたのだろうと、期待しました。期待を裏切らず、よりシンプルな構成で聴かせてくれました。ライブ版以外で唯一編曲まで自身でこなした曲ではないでしょうか。この「ひとり遊び」一曲為だけに購入する価値があります。ファーストアルバムのジャケットで第五福竜丸と思われるパネルを夢の島で掲げる彼女のスタンスが、未だに変わらぬことに感服しました。
その後、標題のように「海が死んでもいいョって鳴いている」を何故かタイトルを変えて、巻き舌をより強くして歌い直していることに気が付きました。
いずれにしても評価は変わりません。
高校教師 DVD-BOX
10年前の『高校教師』に比べると不出来だという方が多いですが、私は今回のほうが好きです。前作は近親相姦、レイプ、同性愛といった衝撃的な内容でしたが、今回のテーマは「依存」。前作との共通点はあくまで舞台が十年後というだけで、続編でもパート2でもない新しい『高校教師』として観れば、決して不出来ではないはず。
93年版も素晴らしいですが、個人的には何度観ても、キャラクターが根本的なところで出来事に振り回されている感が否めないのですが、今回はメインから脇まで、どのキャラクターも深く掘り下げられていたと思います。その意味で、たとえ嘘の世界の中で孤立した二人でも、お互いを見つめ続けた03年版の郁巳と雛の関係のほうが、前作の繭と羽村より本物に見えました。嘘が暴かれた後の残り少ない時間の中で、残酷な現実を受け入れ、なおお互いを思い合う姿は、野島作品の醍醐味である“透明感”そのもの。藤木直人さんと上戸彩さんの演技も、『高校教師』の世界にマッチしていたと思います。
ただ、初回の裏で話題の映画が放送していたり、同クールに同じく死を扱った素晴らしいドラマがあったり、タイミングに本当に恵まれなかったのが残念です。「依存」という、テーマの時点から前作のような衝撃がなかった今作は、『高校教師』のタイトルを背負うのにかなり不利だったでしょう。ですが、ひとつのドラマとして、完成度はかなり高いと思います。
ぼくたちの失敗 森田童子/ベスト・コレクション
僕はその時小学3年生、ラジオから突然、今にも消え入りそうな切ない声のその人の唄が流れた。哀しいエレクトーンの旋律がその人を慰めるように、優しく抱くように、合間を埋めていく・・・僕はあわてて録音ボタンを押した・・・その日、一日中、スピーカーに耳を押し当てて、僕はそのひとの声を聞いた。繰り返し繰り返し、何度も何度も、テープを巻き戻して・・・
次の日・・・菓子箱で作った貯金箱にあるお金をかき集めて、レコード店へ走った。哀しい旋律を忘れてしまわないうちに・・・あの人の言葉が消えてしまわないうちに・・・「♪さよなら~ぼくの~ともだち~♪って唄が欲しいんですけど・・・」って。優しい店員さんはその人のレコードを探してくれた。それはようやく見つかった。でもそれは、『good bye』という名前のアルバムだった。お金は足りなかった・・・サングラスにカーリーへアの森田童子の姿を心に焼き付けたまま、僕は寂しい帰路に着いた。
以来、森田童子を聴いている。途中、「高校教師」でリバイバルしたときは複雑な気持ちだった。そっとしといて欲しかった・・・と思う。
彼女は決して儚く消えた人ではなかった。自らの意思のもとに決然とあの場を立ち去った人だった。「フォークシンガー」とかつて呼ばれた人の中で童子以外に、僕はそんな人を知らない。皆さん、今ではメデイアの虜になってしまった。紅白歌合戦にも出てる・・・さよなら、ぼくの友だち。これからもずっと聴き続けるよ!
干支別守護本尊 童子型 身丈2.5寸 不動明王
自宅にお迎えしました。
愛らしいけど、不動明王様の厳しさも併せ持った仏像です。
机の上、コンピュータディスプレィ前に置いて、いつでも見られるように、というか、いつも睨んでもらえるようにしています。
左牙を上、右牙を下にした珍しい形相です。
安らぎます。
たとえばぼくが死んだら~森田童子ベスト・コレクション
1993年に発売された、ベストコレクションの第2弾アルバムです。全13曲中、4th、5th、6th(ラストアルバム)からそれぞれ5曲、2曲、5曲の計12曲収録と、後期作品中心のセレクトとなっています。第1弾の「ぼくたちの失敗」同様、素晴らしい内容だと思いました。
森田童子の場合は恋愛を歌おうが人生や家族を歌おうが、その深い悲しみと苦悩のトーンは変わることがない。毎日が淋しい人や悲しい人は、絶対に森田童子を聴いたほうがいいと思う。7の「海が 死んでもいいョって 鳴いてます」など心の琴線に触れるし、8のエンディングのモノローグは胸に刺さる。自分は12が大好き。優しいメロディーとそこに乗る悲しい歌詞が凄く合っていて、聴いてると涙が出そうになる。
タイトル曲1は皆すぐ気に入るんじゃないかな?9は「さよならぼくのともだち」と対になるとても切ない曲で、こっちも名曲!5は長いモノローグも秀逸な名曲。11では他と全く違う力強い歌唱が聴けます。途中一部で舞台ゼリフ風の歌い方になる印象的な曲です。