千年の恋 ひかる源氏物語 [DVD]
紫式部の人生と源氏物語をオーバーラップさせるという試みは評価できると思う。しかし、そのために紫式部の心情についても源氏の登場人物の心情についても充分に表現しきれていず、どちらもが中途半端になってしまっている点が残念。キャスティングについては全く個人の意見となるが、源氏-天海,藤壺-高島,頭の中将-風間などはかなり満足。紫の上-常盤については、もう少し和装の似合う女優を、と感じてしまう。また、他の方々が述べておられるように、松田聖子の唐突で不自然な歌はこの作品にとってかなり痛いものとなっており、脚本家や監督の意図が全く理解できない。
天国の駅 [DVD]
部活をサボって、そして何気に足が向いて映画館に入っちゃいました。16歳の子供が興味を持つような映画ではないはずなんですけど...
初めて観た「吉永小百合」映画で、生意気な「日本映画つまらない派」に属していた私の考えを変えてくれた映画です。
全盛時の温泉街の日本的な情緒風景、そしてあくまでも日本的な登場人物の感情の動き、そんなものに引き込まれてしまったんだと思います。
もうストーリーもキャラクターもほとんど忘れてしまいましたが印象だけが鮮明に残っている、そんな映画です。
往年の冬の温泉街、知らなくても懐かしいような、そんな気持ちを楽しみたい人にお勧めかな!?
華日記―昭和生け花戦国史 (小学館文庫)
生け花を習っているときに、流派って何だろう?どう違うのか?という
疑問がわいてきて、その時に出会ったのがこの本です。
各流派の起源やいさかいなどを含めた関係、方向性、そして存続していく
利益づくりの試行錯誤などがわかります。
歴史の本ですが、花を中心とした人間ドラマですので、退屈しません。
戦後の焼け野原の中、食べるものもろくにない中で花を集め生けていく
流派の創始者たちの熱意には心打たれます。
西洋のフラワーアレンジメントを含め、日本において花に関わろうと
いう人には、読んでおいて損のない一冊です。
きけ、わだつみの声 [DVD]
太平洋戦争で散った大勢の若者達の思いが「残される家族のために死ぬ」・・・なんともつらく切ない選択だったことか。現代の日本の在り方を逆に問われているようにすら感じました。出演者の皆さんは制作当時の1994年頃の若い俳優達のそうそうたるメンバー総出演ですね。それだけでも見る価値があります。このメンバーで今の時代を感じさせる新作映画を是非見たいです。
吉永小百合
主として、西條八十門下生の佐伯孝夫作詞、昭和23年シベリア抑留から生還した吉田正作曲の哀愁あふれる、名曲20曲厳選の吉永小百合さんベストアルバム。
伊達に「異国の丘」を戦地で歌っていたわけではない、故郷を思う人の生きようとする主意主体の意味が、足のつま先まで叩き込んできた暗黙知が吉田正を作曲に駆り立て、語るに語れぬ思いのかぎりを奏でる。
日活映画、吉永小百合主演「愛と死をみつめて」の主題歌「愛と死のテーマ」4分35秒収録。"二人ひとつの生命星(いのちぼし)"。台詞が入る。"ミコの分まで二倍も三倍も、さようなら、さようなら"。吉永小百合さんの思い入れも、ひときわ強く、聞く者に没入感を誘う。