熟女ホテトルしびれ旅
2006年から2010年に掛けての週刊漫画サンデーの連載から東陽片岡さん自らが体験したホテトルのレポート漫画のみをまとめた物です。
いつもながらの氏のクレーマーとは程遠いゆるやかさを愛する粋な心が風俗と言うもっとも男の地が出る場所でも発揮されていて素晴らしいです。
連載時はブレンドされていた作者の他の趣味であるバイクやスナック通いを題材とした作品より一般の方には敷居が高いかもしれませんが、東陽片岡さんのファンには限りなくお薦めです。
しかし、事実上本誌の最後のエピソードで氏の連載は打ち切られており、「あとがき」の内容にも一抹の寂しさが漂って居ます。それでも最後はお得意のフレーズが飛び出すと何とかなりそうな気がして来るから不思議です。
本テーマは連載誌は11年間不動だったにも関わらず、単行本化は別の複数の出版社からされて居る様で、なおかつ抜粋の為、例えば『直立チ○ポの納品先はも一回のうぐいす谷だった』では作中で触れられた過去エピソードを表す「ひょの15」から該当作を追う事が出来ないのが少々残念でした。
脚注等で収録単行本を教えて頂ければ有りがたかったのですが、それでも氏の作品を出版して下さるだけでも青林工芸舎さんには感謝しております。
レッツゴー!!おスナック
最近、体験ルポ的な作品が多い東陽画伯だが、自らの趣味と私生活をさらけ出す彼の作品姿勢から、「この人はいい人なんだろうな〜」と感じてしまう(お目にかかったことはないけど)。
カラオケスナックに集う中高年客とママ、そして東陽画伯の人間模様が、たった2〜4ページに凝縮される作品スタイルは相変わらず佳作揃い。東陽画伯は今後もメジャーになるとは到底考えられないが、マイノリティながらも根強いファンがいることは間違いない。
本作品は東陽画伯がインタビュアーとして、カラオケスナックの関係者(ママ、流し)を取材。ムード歌謡に関する蘊蓄も披露し、果てはアメ横で買ったとされるカラオケ用の衣装まで披露。NHKで放送していた『熱中時間 忙中"趣味"あり』にも出演していいほどのこだわりぶりだ。
お風俗とバイク、温泉、そしてカラオケと多趣味に生きる東陽画伯。貯金が少ないと将来の不安も露わにするが、変わらぬ作風を貫き続けてほしい。