東京ポッド許可局 ~文系芸人が行間を、裏を、未来を読む~
いつもの軽快なトークが文字になったらどうなっちゃうんだろうと心配していましたが、まえがきにあるとおり、文字になっても面白さを損なわないようにうまくまとめられています。
あっというまに全部読んじゃったんだけど、実は何度も読める仕掛けがあるんです。
それは本文の下にある注釈コーナー。
鹿島局員ががんばって書いたというだけあって、お笑いのことやプロレスのことを知らない人にもトークの内容が分かるように丁寧に書かれてれいます。
そしてコラムもいい!
「”○○”論」のあとには必ず関連するコラムがあって、局員それぞれの個性が出たうんちく等が楽しめます。
もちろん付録のCDに収録された「とんねるず」論・「ハゲ」論・「忘れ得ぬ人々2010」論も、ポッドキャスト同様に録音レベルは低めで臨場感があっていいですねー。
ポッドキャストを聞いたことがないという方も、きっと楽しめる内容だと思います。これを機会にポッドキャストで聞いてみるというのもいいですね。
ヨーヨー・マ プレイズ・モリコーネ
久しぶりに、ただ無言でお薦めできます。
心に響くとはこういう音楽ですね。
毎晩寝るときに聞いてます。
ただひたすらプロ同士が重ねていく音と音符の共演といった感じ。
夏の朝、週末に聴きたいかも♪
漫才入門 ウケる笑いの作り方、ぜんぶ教えます
上の「商品の説明」では著者について触れてないので書いておく。
最初は匿名ライターのやっつけ仕事かと思ったのだが、編著者名の「元祖爆笑王」というのは放送作家としてのれっきとした名前らしい。64年生まれ、高田文夫事務所所属である。wikipediaの記事によるとなかなか信頼できそうな人物だ(エラソーですみません)。
本書は、彼と松本哲也(76年生。元お笑い芸人の放送作家)、大隈一郎(75年生。元お笑い芸人の映像作家)の3人が交替で講師を勤めた専門学校の授業「漫才入門」の単行本化である。「交替」といっても3人で綿密に打ち合わせしてあるらしく、カチっとした漫才論(漫才分析)に基づいて全5回の授業は進んでゆく。ある講師の漫才論を別の講師が否定して、生徒を混乱させるということはない。
中盤からみんなで実際にネタを作ってゆくのだが、それが「彼女の父親に結婚の挨拶に行く」設定。アンタッチャブル(現役最高の漫才コンビだと思う)の有名なM-1ネタと同じなので、それと比較するという裏ワザもできるだろう。そういえば、私はアンタッチャブルはツッコミから先に作ると聴いて(wikipediaで読んだだけだが)不思議に思っていたのだが、本書でそのメリットを知れた。
最後に、ほかの方も書いておられるが、私も本書だけでなく、DVD「紳竜の研究」もオススメする。
[追記]
第5回(最終回)の生徒のネタみせは、出版社サイトで動画が見れる。サイト内の検索窓で「漫才入門」を検索してください。
アンタッチャブル スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
お気に入りのヒロインをサディスティックにいじめ抜く為に映画を造っているのではと疑いたくなるようなヒッチコック譲りのミステリーサスペンスを撮ってきたデ・パルマの作品の中では異色とも言える「男達」のすがすがしさとかっこよさを描き切ったアツイ作品。
モリコーネの繊細かつ力強くも雄々しい音楽に相まって盛り上がる各シーンは涙さえ溢れそうになる程感情を揺さぶり、当時はナーバスな作品ばかりのデ・パルマも遂に陽のあたるメジャーの舞台へ躍り出たか…と、感動しつつも、複雑な気持ちにもなったものです。
個人的にはショーン・コネリーは脇にまわって主人公を暖かくサポートする位の役の方が良い味だすよなあ。と感じてました。
007降板後、SFブームに翻弄されて宇宙や隕石墜落であたふたしてた当時の彼も「人間味がある」とか言われてましたが、やはり「ハイランダー」辺りからのコネリーの余裕を感じさせる師匠的、父親的なキャラクターには頼りがいのある安心感と暖かみが備わって、この「アンタッチャブル」でもその持ち味が存分に生かされており、その行動には感涙させられます。やはりゴールデングローブ・アカデミーの両助演賞を獲得、見事に名優として返り咲きました。
(同時期の「レッドオクトーバーを追え」などの主役作品はアクが強すぎてイマイチなのですが、「インディジョーンズ最後の聖戦」ではハリソンフォード演じる「インディ」のむこうをはって「ジュニア」呼ばわりして見事な貫録を魅せつけ、そして「ザ・ロック」で彼の集大成である封印された元「女王陛下のエージェント」を眠りからゆり起こして華麗なアクションを披露!新たなヒーロー俳優「ニコラスケイジ」に花道を譲ったのです。)
負けずに相対する伝説のギャング「アル・カポネ」には彼しかいないだろうという位の鬼気迫る迫力と貫録のロバート・デ・ニーロ。
その容姿に拘った彼は頭髪を抜いて体形から役作りをしたというのも有名な話です。
そして当時は若手で甘いマスクの印象しかなかったケビン・コスナーは見始めた当初の新任エリオットネスが、かつてのTVシリーズでネス演じたロバート・スタックの大人びたイメージに比べ、どうにも頼りなく幼く映り「どこがエリオット・ネスだよ」みたいに感じてましたが、コネリーのマローン警官に導かれ、チャールズ・スミス演じるオスカー、アンディ・ガルシアのストーンとともにシカゴの街へと歩き出し、やがて迎えるラストではすっかり男らしい「エリオット・ネス」の顔になっておりました。
どんな作品も突っ込めばいくらでも粗はみえてきます。
しかしデ・パルマのシンプルでストレートな演出に、
年を経て涙もろくなった今でも鑑賞時にはカッコ良さと、感動で涙せずにはいられない忘れられない「名作」です。