SF Japan 2011 SPRING
11年続いたこのSF雑誌もこれで最終刊。最近の不況のせいなのかもしれないが、SF人気もこの数年、盛り上がってきた感じもあったので、突然の廃刊はかなり残念だ(毎号、買ってたわけではないけどね)。
そういうこともあって今回は日本SF新人賞の歴代受賞作家たちがほぼ全員揃って短編を掲載している。私が読んだことがあるを列挙すると、吉川良太郎、坂本康宏、三島浩司、片理誠、樺山三英、山口優など。特に処女作『シンギュラリティ・コンクェスト』がなかなか面白かった山口優のまたまた「シンギュラリティ」もの、「アーリー・ラプチャー」は面白かった。
それと、今号は、日本SF大賞の発表もあった。日本SF大賞は、森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』、長山靖生『日本SF精神史』。『日本SF精神史』は残念ながら未読だけど、森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイは大賞にふさわしい作品だと思う。インタビューも良かった。
また、特別が、故柴野拓美氏と故浅倉久志に贈られている。
六番目の小夜子 第2章 [DVD]
『六番目の小夜子』がNHKでドラマ化されてから、早十年。いや、まだ十年と言うべきか。
20世紀最後の年に、かくも神秘的なドラマが撮影されていたことは、ミラクルだと言いたい。
「恐怖の文化祭」エピソードの、暗闇の体育館で、ぶっつけ本番で演じられる生徒全員参加の呼びかけ芝居には、今もって戦慄を覚える。
上演された芝居は、サヨコの鍵を持つ者が演じるはずの芝居ではなかったからだ。
鍵を受け継いだ者こそが、その年の本当のサヨコではないのか??
第二章まで観てしまったら、謎の真相を知りたくて第三章(最終章DVD)まで観ずにおれなくなるのは、致し方のない、サヨコ伝説の魔力なのでしょう。
酔って記憶をなくします (新潮文庫)
酔っぱらいには、まだまだ上の人がいるな、と確認でき、もっと飲めると思わせる。
ミクシィに投稿された酔った上での出来事をまとめた本。
MIXIの匿名性が、ここまで書かせるのかと思った。これがFacebookで本名でしか書かれないのなら、こんな事は書けないだろう。
ある意味、日本のソーシャルメディアのあり方について考えさせられる。
夜のピクニック (新潮文庫)
一つの時代、一つの空気をもった小説。決して流行に乗って一気呵成に人気を博す小説というよりも、地味ながらもしっかりと読み継がれていくような、そんなしっかりとした土台を持っている。
イベントの設定からキャラクターとその人間関係の配置の絶妙な些事加減で、この不思議で魅力のある物語が生まれている。ぜひそこを楽しんでもらいたい。
ピクニックの準備 [DVD]
うまいですね。それぞれのキャラを立たせて、本編に入りやすくしてある。
コント調のものからムーディーなものまで、それぞれの監督の力量が冴え渡ります。
松田まどかさんが可愛いですね。相手役の神主さんは木村拓哉のイメージ?
オムニバスなのに全く退屈しない、世界観に惹きつけられる90分でした。